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京大、Ia型超新星の表面で起きた核反応によるガンマ線を観測
今回の研究の観測結果をもとに提案されるIa型超新星に至る進化過程を示す図(京都大学の発表資料より)。連星相手(左)から白色矮星(右)に急激な物質流入が起こり、この物質は回転しながら落ち込み白色矮星の赤道表面に蓄積される。最終的にこの表面にたまった物質内で核暴走が始まる(ESA and Justyn Maund, QUB)。[写真拡大]
京都大学の前田啓一准教授らによる研究グループは、Ia型超新星の表面で起きたと思われる核反応によって放出されるガンマ線を観測することに成功した。
Ia型の超新星は、爆発の規模やピーク時の明るさのばらつきが少ないため、宇宙の標準光源と呼ばれており、宇宙の歴史と未来を知る上で重要な役割を果たしている。しかし、Ia型超新星の進化と爆発については詳しいことが明らかになっていなかった。
今回の研究では、INTEGRAL宇宙望遠鏡を用いて、2014年1月に発見されたIa型超新星超新星SN2014Jを観察したところ、爆発からおよそ18日の段階でニッケルの同位性元素崩壊によるガンマ線を検出した。この結果は、爆発から数ヶ月後に内部で起きた核反応によるガンマ線が漏れだしてくると考えられていたこれまでの説を覆すもので、表面付近での核暴走反応が先に起きることを示唆している。
研究メンバーは、「実際の観測データは理論予想を覆し、Ia型超新星の爆発機構の理解に大きな謎を投げかけ、新たな理論モデルの提唱につながっています」とコメントしている。
なお、この内容は「Science」に掲載された。
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