早稲田大、軽くて高性能なガンマ線撮影カメラを開発 除染の効率化に期待

2014年7月26日 20:35

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同一条件において、現カメラ(左)と新カメラ(右)で取得したガンマ線画像。10度離して置いた2つの放射線源が、新カメラでは明確に分離できる。(早稲田大学の発表資料より)

同一条件において、現カメラ(左)と新カメラ(右)で取得したガンマ線画像。10度離して置いた2つの放射線源が、新カメラでは明確に分離できる。(早稲田大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 新カメラで撮影した、福島・浪江町における放射線核種のスポット状集積の例(早稲田大学の発表資料より)

 早稲田大学の片岡研究室は、浜松ホトニクス社と合同で、軽くて高性能なガンマ線撮影カメラを開発した。

 効率の良い除染作業のためには、ガンマ線を可視化する必要があるが、これまでのガンマ線撮影カメラは、重い・感度が低いといった欠点があった。

 今回の研究では、入射ガンマ線が散乱体検出器でコンプトン散乱を起こす原理を利用して、ガンマ線が飛来してきた方向とエネルギーを同時に測定できるコンプトンカメラと呼ばれるもので、独自に開発した3次元シンチレータ方式を採用することで、ガンマ線の散乱・吸収位置を高精度に測定できる仕組みを実現した。その結果、重量は2.5kgに抑えながら、解像度を2倍、感度を70%向上させることに成功した。

 今後は、関連施設での実験や装置の新しい可能性を追求していくことが期待されている。

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