紙にインクジェットプリンタで金属のナノ粒子を印刷することでメモリを作成する試み

2014年7月26日 19:32

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 台湾の研究チームが、普通紙上にインクジェットプリンタを使ってメモリを印刷する技術を開発した(C&ENACS NANOSlashdot)。

 顕微鏡レベルで見た場合、紙は多孔性で表面が荒れている。いっぽうDRAMのようなメモリ回路には薄く均一な層が必要となるため、紙に印刷することは困難だった。研究チームはこの問題を回避するため、抵抗変化型メモリ(ReRAM)を使うことに決めたという。

 具体的には、まず炭素ペーストを紙にコーティングして底面電極を形成する。このプロセスは表面を滑らかにするため10回繰り返され、続いて二酸化チタンナノ粒子を混合したインクを使ってインクジェットプリンタで絶縁体の層を印刷する。最後に、銀のナノ粒子を含むインクを使って電極を印刷する、というもの。印刷された電極は直径約50μmで、横8.5インチ、縦11インチの紙(レターサイズ)1枚に容量1MBのメモリを構築することができたという。また十分な信頼性を持っているだけでなく、極端な曲げ条件下で動作する機能を発揮するとしている。

 論文の主執筆者によれば、1μm未満のドットを生成できる超微細インクジェット技術を使用すれば、同じ用紙に1GBのメモリ容量を入れることも可能になるという。

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