ウクライナ、イスラエルなどの海外情勢を睨みながらの個別物色相場=犬丸正寛の相場展望

2014年7月18日 16:39

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■売買代金の低調は続きそう

  マレーシア航空機が、ウクライナ東部で墜落、親ロシア派にミサイルで撃墜されたようだとの報道からウクライナでの緊張が高まるとしてNYダウが急落、1万7000ドルを割り込んだ。連れて、日経平均も週末、一時260円安の1万5110円まで下げた。

  日米株価とも、このところ上伸続きで警戒もあったことから大きく響いた。「予想していなかった事件だけに、新規の空売りが入ったというより買い方の投げが先行した。とくに、日本は3連休ということで思い切って下値を仕込む動きも限定的だった」(中堅証券)という。ウクライナ情勢が今後、どのように展開するかは、まったくの未知数。大きい事態に発展しなければNYダウは反発が予想され、日経平均も落ち着くものとみられる。

  ただ、日本のマーケットは大きくは期待できないのではないか。これまで、NYダウ好調の時でも、日経平均は元気の良い動きとは言えなかっただけに今後も多くは期待できないだろう。

  とくに、日経平均は週末に25日線を去る11日に続いて再び割り込んだ。来週、このまま25日線割れが続くようだと25日線自体が下降に向かう心配が出てくる。仮に、そうなると日経平均は秋頃までの調整入りが濃厚となる可能性がある。

  また、10年国債利回りは米国が2.47%、日本は0.53%で日米金利差が縮小していることも気掛かり。足元でジリジリと円高傾向を強めている円相場が、1ドル・101円台から100円台に入ってくるようだと日経平均の一段安は避けられないだろう。

  一方、ボリューム面では既に、「夏休み」状態となっている。東証1部売買代金では、7月に入って2兆円を超えたのは僅か1回(6月は5回)にとどまり、流入資金の少ない状態が続いている。しかも、梅雨明け間近で、今年も猛暑の予想されることからみれば、期間投資家等の大口資金は、「夏休み」となるだろう。

  4~6月期の第1四半期決算が発表となっている。個別では好調銘柄は見受けられるものの、日経平均に寄与する主力株については、ほぼ予定線といった内容といえる。実際、日経平均予想1株利益は直近1036円と横ばい状態で推移している。

  梅雨明けとなれば、エアコン、飲料、旅行などのサマーストックが狙われるだろう。羽田空港と都心を結ぶ地下新線計画に関連した銘柄が引き続き注目され、国立競技場の立替のための取り壊しが始まったことから周辺の再開発を含めた関連銘柄にも注目が集まりそうだ。

  また、NY市場で高PER銘柄が反省売りで下げた余波から日本でも高PERの材料系銘柄が大きく下げたが、夏相場ということを考えれば再び注目されることも予想される。

  来週はウクライナ、イスラエルzなどの海外情勢を睨みながらの個別物色の相場とみられる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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