東大、リチウム電池を超える新しい仕組みの二次電池を開発 7倍のエネルギー密度

2014年7月16日 17:38

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今回の電池システムの放電反応の模式図。正極で過酸化リチウムと酸化リチウムの間の酸化還元反応を利用する(東京大学の発表資料より)

今回の電池システムの放電反応の模式図。正極で過酸化リチウムと酸化リチウムの間の酸化還元反応を利用する(東京大学の発表資料より)[写真拡大]

 東京大学の水野哲孝教授らによる研究グループは、現行リチウム電池の7倍のエネルギー密度を持つ新しい二次電池を開発することに成功した。

 充電が可能な二次電池は、モバイル機器・電気自動車・定置用など、様々な分野で需要が高まっており、現行のリチウムイオン電池を超える新しい仕組みの二次電池が望まれている。

 本研究では、正極に酸化リチウムと過酸化リチウムの間の酸化還元反応を、負極に金属リチウムの酸化還元反応を用いることで、現行のリチウムイオン電池と比べて7倍のエネルギー密度を実現できることを明らかにした。さらに、正極の酸化リチウム結晶に添加するコバルトは、現行のリチウムイオン電池よりも重量比が小さいため、原料費を抑えることも可能となった。

 今後は、電極活物質の最適化をおこなうことで理論容量に近づけることを目指す予定で、革新的な二次電池としての実用化が期待されている。

 なお、この内容は7月14日に「Scientific Reports」オンライン版に掲載された。

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