NYダウの行方を株式評論家・忠田公夫氏に聞く

2014年7月9日 12:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

――1万7000ドル台に乗せたあとのNYダウの下げをどうみますか。

 【忠田氏】 1万7000ドル台に乗せたことによる達成感があると思います。その他に、4つばかり下げの理由があると思います。(1)アメリカ雇用統計が予想以上に良かった、(2)アリババの上場を控え、関連銘柄人気がヒートした、(3)イギリス、ドイツの経済指標が予想を下回った、(4)スペインでネット企業の破綻があった、~などがあります。

――6月の雇用統計では雇用者数は前月比28.8万人増と好調でした。現実の経済の良さが評価されてもよいと思われるのですが。

 【忠田氏】 ニューヨークのマーケットでは、今年になって金融緩和終了から金利引き上げの時期をめぐって関心が強まっていることはご承知の通りです。今回の予想を上回る雇用者増加で金利引き上げが早まる可能性があります。大手外資系証券では2016年1~3月とみていた金利引き上げ時期を2015年7~9月というレポートを出しています。さらに、これから発表となるアメリカの4~6月GDPも好調な数字が予想されるため金利引き上げの観測はいっそう強まると思われます。NYダウは、金利引き上げを織込む展開が予想されます。1万6400ドルを割るかどうかがチャートでのポイントです。

――アリババ上場で関連銘柄はどのていど買われましたか。

 【忠田氏】 フェイスブックは上場での調達額は160億ドルといわれていますが、アリババはこれを上回る200億ドルていどとみられています。それだけの人気ということで、関連のIT銘柄が軒並み買われ、たとえばネットブリッジ株はPER100倍強にまで達しています。高PERに対する反動は当然、予想されるところです。

――日本株については。

 【忠田氏】 日本のマーケットには、アメリカと違う大きい2つの方向性があります。ひとつは、日本はまだ金融緩和継続の方向性にあることです。もうひとつは、NISAの非課税枠拡大と年金資金の株式投資比率拡大です。いわゆる、株式市場活性化が、「国策」となっていることです。この点は、非常に大きな点です。NYダウにツレ安したところは買っていけると思います。(経済証券アナリスト&評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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