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NYダウ高を取込んで日経平均が年初水準にどこまで近づけるか、政治が経済に軸足を移せるか=犬丸正寛の相場展望
夏相場では、NYダウ高をバックに日経平均が年初1月6日の始値1万6147円にどこまで近づけるか、あるいは更新することができるかどうかが見所となるだろう。集団自衛権を閣議決定にこぎつけたことで、政治的な大きいヤマを越え、次は、消費税10%引上げが控えていることから、再び、経済面に軸足が移り相場には支援となるはずだ。
NYダウは3日、初となる1万7000円台に乗せた。6月の非農業部門の雇用者数が前月比28.8万人の増加、失業率も2008年水準の6.1%まで低下し、アメリカ経済の好調ぶりが際立っている。シェールガスを手にした効果を満喫している姿といえる。
NYダウの強いことは日経平均には大いなる支援である。もちろん、NYダウのスピードの速いことに警戒感はある。しかし、その一方で、「景気の良い時に強気にならないで、いつ強気になるというのだ。インフレ懸念から金利引き上げとなるまでは強気で走るべきである。天井を掴むくらいの気持ちでないとこの相場では儲からない」という声も聞かれる。
気候の良い春に身体をハツラツとするように景気の良いときにこそ相場で稼ぐときというわけだ。
東証1部の売買代金は4日(金)も1.6兆円と低調だが、出来高は20億株前後の高水準が続いている。この点は、これまでと大きく異なる点である。
これまでは、個人の日計り的売買が中心で出来高はそれほど盛り上がらなかったが、現在は、年金、投信等の機関投資家の買いが入っているためだと思われる。
今後、出来高が15~16億株へ減少するようだと相場には警戒が必要といえるが、現在のような20億株ていどが続いている間は相場は強いとみてよいだろう。ただし、売買代金が少ない中での展開だけに、特定の銘柄に商いが集中することが予想される。
機関投資家の姿勢の高まりには、政府の年金資金等に対する株式運用の比率アップ意向を受けてのものとみられる。NISAの非課税枠拡大検討も伝えれている。「預貯金から投資へ」の政策が本格化してきたといえる。この流れは、軽く見ないほうがよい。
消費税の影響は全体としては、それほど大きくないとみられているが、消費の落ち込みは前回1997年の引上げのときよりもはるかに大きいとの指摘もある。このままでは、間近に迫っている消費税10%に対し、国民の猛反対を受ける心配もある。
今年の夏は、冷夏予想から一転して猛暑予想に変わっているようだ。しかし、政治は夏休みなしで景気に全力を挙げる必用があるのではないか。その姿勢がみえればマーケットは好反応する。安倍総理の言う、「今年は午尻下がりでなく、午跳ねる相場」となるだろう。
NYダウ高の効果のチャンスを日本の政治が取り込んで株高・景気向上にむすびつけることができるか、今年の夏の最大の見所といえる。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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