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東大、老化によって嗅覚神経の細胞死が起きることを明らかに
東京大学の千原崇裕准教授らによる研究グループは、ショウジョウバエの嗅覚神経細胞が老化によって死んでいることを明らかにした。
老化による脳機能の低下に関して、神経変質疾患を患っている場合の細胞死については研究がおこなわれていたものの、正常な老化における細胞死についてはほとんど研究されていなかった。
今回の研究では、モデル動物としてショウジョウバエを使い、細胞死を引き起こす酵素「ガスパーゼ」がリンゴ酢や酵母の匂いを感知するOr42b神経細胞で活性化していることを突き止め、実際に老化したショウジョウバエはこの神経細胞の数が減少していることを明らかにした。この結果から、老化によって嗅覚神経細胞が細胞死することや、それによってショウジョウバエが異常な行動をすることが分かった。
一般に、老化に伴って嗅覚機能は低下する。また、パーキンソン病を含む神経変性疾患でも運動機能障害に先だって嗅覚機能低下が現れる。今回の研究成果は、正常な老化の過程で神経細胞が細胞死することの意義や分子機構に迫るとともに、神経変性疾患で神経細胞が細胞死する原因と発症機序の理解に繫がることが期待される。
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