北大、原子核の副虹を世界で初めて発見

2014年6月14日 22:08

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酸素と炭素の散乱実験と従来の計算結果を示す図(北海道大学の発表資料より)

酸素と炭素の散乱実験と従来の計算結果を示す図(北海道大学の発表資料より)[写真拡大]

  • 今回の研究で実施した精密計算による結果を示す図(北海道大学の発表資料より)

 北海道大学の平林善治准教授らによる研究グループは、酸素原子核を炭素原子核に衝突させることで、原子核の虹に副虹ができていることを世界で初めて発見した。

 雨上がりに見える虹のように、原子核に粒子を衝突させた時も虹のような現象が起きるが、雨粒のように内部反射は起きないため、副虹(2番目の虹)は発生しないと考えられていた。

 今回の研究では、300メガ電子ボルト前後のエネルギーで、酸素原子核を炭素原子核に衝突させたところ、散乱角70度付近で副虹と見られる新しい虹が発生していることが分かった。この副虹は、空にできる虹(気象虹)と違い、反射によって現れたものではなく、強い核力によって引き起こされている。

 この研究成果は、原子核構造のさらなる解明に役立つと期待されている。

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