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北大、海産生物の半クローン魚を世界で初めて発見
アイナメ属の交雑に関わる親種3種の分布と種分化年代の模式図。寒冷種のスジアイナメと温帯種のクジメとアイナメのそれぞれの祖先種が種分化した後、アイナメとクジメの種分化を経て、現在までの海進後に、3種が北海道南部と沿海州で二次的接触し交雑が起きた。(北海道大学の発表資料より)[写真拡大]
北海道大学は、北海道で世界初となる海産生物の半クローン魚を発見した。
半クローンとは、全てメスの生物集団で、別種のオスと交配させても母親と全く同じ遺伝子を持つメスの子供ができる。また、繁殖速度が早く、狭い領域で一時的に大集団となるという特徴を持っている。
今回の研究では、北海道で「アブラコの合いの子」と言われていた雑種が、半クローンであることを発見した。半クローンが見つかったのは世界で6例目、海産物では世界初である。さらに、この種から遺伝子交配によって様々な雑種を作り飼育したところ、純粋雑種間の交雑では半クローンを作り出せず、野外雑種と親種との交配でのみ半クローンを再現することができた。これは、野外雑種は世代ごとに出現するものではなく、半クローンとなる特異な遺伝子が作用していることを示している。
この研究成果は、性の進化解明や希少生物のゲノム維持などに役立つと考えられている。
なお、この内容は6月5日「Journal of Fish Biology」に掲載された。
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