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東北大、カーボンナノチューブ内の「つるつる」な曲面によってフラーレンが「くるくる」と回転することを解明
急速冷却することでカーボンナノチューブ内部のフラーレンの回転を停止した結果、得られた構造。くるくると回転していたフラーレンが急速に回転を停止させられたため、さまざまな配置のフラーレンが観測された。(東北大学の発表資料より)[写真拡大]
東北大学の磯部寛之教授らによる研究グループは、カーボンナノチューブの中にフラーレンを取り込ませると、固体状態でもくるくると回転していること、そしてカーボンナノチューブの内部は変曲点がなくつるつるとしている状態であることを明らかにした。
炭素原子が筒状に連なっている物質をカーボンナノチューブと呼び、同じく炭素原子がサッカーボールのように球体を作っているものをフラーレンと読んでいる。カーボンナノチューブの筒の内側にフラーレンを入れるとくるくると回転していることはこれまでの同グループによる研究で明らかになっていた。
今回、磯辺教授らは、固体状態やマイナス30度まで冷やした時も、同様に中のフラーレンがくるくると回転していることを突き止めた。さらに、高輝度なX線回折によって分子構造を調べたところ、カーボンナノチューブの内側は変曲点がなく、つるつるとした局面になっていることが分かった。
この研究成果は、今後、固体の中で分子の機械を設計できる可能性を示している。
なお、この内容は「Proceedings of the National Academy of Science of the United States of America」で公開されている。
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