【経済分析】日銀の「2年で物価2%」は無理(1)

2014年5月26日 16:54

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記事提供元:さくらフィナンシャルニュース

【5月26日、さくらフィナンシャルニュース=東京】

一昨日の日経新聞には、日銀の黒田総裁のインタビュー記事が掲載されていました。

日銀の異次元の金融緩和がデフレ脱却に向けて着実に効果をみせていると自らの金融政策を自己評価した上で、日本の潜在成長率を上げるために官民一体で構造改革を進める必要性を説き、さらに、2%の物価目標の達成に支障が生じた場合には躊躇することなく、いろいろな手段を使って追加緩和で対応すると述べました。

「2年程度で2%の物価目標に向けて順調に道筋を辿っていると」との認識を黒田総裁は示していますが、物価目標の実現に関して多くのエコノミストは懐疑の目を向けています。最新のESPフォーキャスト調査(日本経済研究センターがエコノミスト約40名を対象に毎月行っているアンケート調査)によれば、日銀が2年以内(15年3〜4月頃まで)に物価目標を達成できるとみているエコノミストは41人中わずかに2名で、できないと回答したエコノミストが32名、「どちらとも言えない」との回答が7名という結果となっています。

消費者物価(除く生鮮品)は3月時点で前年同月比1.3%上昇となっていますが、昨年12月以降4か月連続で伸び率は1.3%で、物価上昇は頭打ちとなっています(この図のグラフ)。

果たして日銀は2年以内に2%の物価目標を達成できるのか?

2つのハードルがあると思います。【続】

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