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東芝、植物工場で野菜生産の新事業 スーパー・コンビニのカット野菜向け
長期保存可能な無農薬野菜を生産する東芝の植物工場のイメージ(東芝の発表資料より)[写真拡大]
東芝は15日、ほぼ無菌状態を実現する閉鎖型の植物工場で、長期保存できる無農薬の野菜生産を事業化すると発表した。本年度上期中には出荷を開始し、年間3億円の売り上げを見込むという。
今回の野菜産事業では、神奈川県横須賀市の同社所有建屋を活用し、レタス、ベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナなどを栽培する植物工場に転用する。生産規模は、レタス換算で年間300万株。転用するための工事は15日から開始した。
植物工場は閉鎖型で、植物育成向けに光の波長を最適化した蛍光灯、均一な温度・湿度の環境を実現する空調機器、栽培状況を把握するための遠隔監視システム、梱包材などを消毒する除菌システム、半導体事業で培った生産管理技術など、同社が持つ幅広い技術、ノウハウを採用しているという。
出荷される野菜は菌の侵入を制限したクリーンルームで育成されることから、雑菌による傷みが少なく長期保存が可能。高い鮮度が長期的に求められるカット野菜やサラダ用をターゲットとし、スーパー、コンビニエンスストア、飲食業者などを中心に販路を拡大していく計画。
また、育成環境を制御することで、ポリフェノールやビタミンCを豊富に含んだ機能野菜を市場ニーズに応じて提供する予定という。
今年度中には海外に新たに大規模な植物工場を建設するほか、植物工場向け機器やシステムの販売を開始し、事業拡大を目指す。
同社グループは、グループ内にある広範囲な技術を融合させ新たな価値を創造する「ニュー・コンセプト・イノベーション」を推進しており、農業をはじめ今後もさまざまな分野で新商品、ソリューションを提案、提供していくとしている。
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