大気中のCO2濃度の上昇によって作物の栄養価が低下する可能性

2014年5月13日 07:00

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記事提供元:スラド

danceman 曰く、 現在は400ppm程である大気中の二酸化炭素の濃度がおよそ2050年頃には550ppmになると予測されているが、これによって穀物に含まれる栄養の質が低下する可能性があるそうだ(Reuters)。

 ハーバード公衆衛生大学院のSamuel Myers博士率いる研究チームが日本、オーストラリア、米国の3カ国において、大気中の二酸化炭素の濃度を550ppmに調整した田畑で小麦、米、大豆、さやえんどう、トウモロコシなど40種類の穀物及び豆科植物を栽培し、大気中の二酸化炭素の濃度が高くなると作物に含まれる栄養素にどのように影響するのか調べた。その結果、作物に含まれる2つの重要な栄養素である亜鉛と鉄の量が減少することが分かったという。

 地球上のおよそ20億人が亜鉛と鉄分の摂取を作物に頼っているため、気候変動が重要な健康被害に繋がる恐れがあると研究チームは指摘している。亜鉛不足は免疫システムに影響を及ぼすため、マラリアや肺炎、下痢によって夭折しやすくなってしまう。また鉄分の不足は、妊産婦死亡率の増加、貧血症、知能の低下、労働生産性の低下との関連が指摘されている。

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