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2015年3月期の業績伸び悩みを織込む展開か、引き続き個別物色=犬丸正寛の相場展望
去る、5月1日に日経平均は30日船を抜いたものの、僅かだったことから結局、ダマシ足となって日経平均は連休明けに大きく下げた。この間、NYダウは最高値(場中値)にあと9ドルまで迫る強さだったが日本のマーケットには反応しなかった。
ウクライナ情勢の緊迫化などで原油価格上昇などの懸念材料はあるが、それ以上に発表中の3月期決算で、2015年3月期の見通しが思ったほど芳しくないことがあるようだ。
とくに、指標的存在のトヨタ自動車は、2014年3月期は16.4%増収、営業利益73.5%増益と好調だったが、2015年3月期予想については売上横ばい、営業利益0.3%増益にとどまる。
4月から実施された消費税直後だけにトヨタといえど慎重な予想数字は当然だろう。減益予想にならなかっただけでもよかったとの見方はあるものの、これによって上場企業全体の2015年3月期見通しについては、これまでの期待がトーンダウンとなることが予想される。
従来は2015年3月期の企業々績は2ケタ増益の見方が強かったが、微増益にとどまる可能性が強まっている。実際、日経平均予想1株利益でみても去る4月30日の1043円をピークとして足元では1018円前後での推移となっている。
これでは、相場全体が大きく上値を追うことは難しそうである。NYダウが高値を更新して1万7000ドルをつけるなら日経平均にはプラスに作用するだろうが、少しくらいのNYダウ上伸では今の日本のマーケットには波及効果は薄いだろう。
結局は、2015年3月期の業績伸び悩みを織り込みつつ、6月の新成長戦略発表に期待し、さらに、その先、第1四半期(4~6月)における消費増税の影響を見極める相場展開となりそうだ。
このため、来週も引き続き全般相場には多くは期待できず、2015年3月期見通しのよい銘柄の個別物色相場の展開だろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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