国内のソーシャルギフト市場は20年には770億円に拡大

2014年5月5日 10:12

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記事提供元:エコノミックニュース

 国内のソーシャルギフト市場が拡大している。2012年度には22億円規模だが、13年度には約2倍の45億円、20年度には770億円に拡大するという。これは、矢野経済研究所が2日発表した国内のソーシャルギフト市場の調査結果によるもの。

 調査期間は2013年12月~2014年3月、調査対象はソーシャルギフトサービス提供事業者、商品券・ギフト券/ギフトカード発行事業者。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。

 調査におけるソーシャルギフトサービスとは、インターネットで購入したギフト(贈り物)を、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やメッセンジャー、eメールなどを利用して通知し、贈るサービスを指す。また、ソーシャルギフト市場規模には、個人によるソーシャルギフトサービスの利用に加え、法人による販促キャンペーンや従業員の福利厚生の一環としてのソーシャルギフトサービスの利用を含み、発行金額ベースで算出した。

 それによると、2012年度の国内のソーシャルギフト市場は、前年度比102.3%の22億円となった。法人のインターネットを利用したキャンペーン(オンラインキャンペーン)におけるソーシャルギフトサービスの拡大、およびパーソナルギフトにおけるスモールギフトの進展により、市場は拡大しており、13年度の同市場規模は前年度比204.5%の45億円(いずれも発行金額ベース)と見込んでいる。

 法人の販促キャンペーン利用が増加し、ソーシャルギフトサービスが台頭若年層を中心に、日常のちょっとした「ありがとう」「ごめんね」などのコミュニケーションを補完する形で、ソーシャルギフトサービスを利用し、スモールギフトを贈るケースが徐々に増えているという。

 また、グリーティングメッセージとともに16桁のIDを送付し、受取人は専用Webサイトのバリュー(価値)として利用可能なオンライン完結型のソーシャルギフトサービスも、ギフトの受け渡しがすべてインターネット上で可能という利便性の高さから、利用が増加している。これらのソーシャルギフトサービスの利用拡大により、法人の販促キャンペーンにも変化が出てきている。従来のリアルキャンペーンをやめて、オンラインキャンペーンにシフトし、ソーシャルギフトサービスを採用する法人の事例も増えてきている。

 ソーシャルギフト市場は、2020年度には770億円(発行金額ベース)まで拡大すると予測している。とくに、法人利用では、金券の管理・配送などのオペレーションや配送コストが不要になることが、また、パーソナルギフトでは、従来の商品券・ギフト券、ギフトカード需要からの代替利用が拡大することが追い風になると考えるとした。

 同社では、ソーシャルギフトサービスは、従来の紙型のギフト券などと棲み分けをしながら拡大し、新しいギフトの形として浸透していくと予測している。(編集担当:慶尾六郎)

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