【鈴木雅光の投信Now】日本人は意外と海外投資好き?

2014年4月7日 10:14

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  「グローバル・ソブリン」、「ハイ・イールド債」、「US-REIT」、「グローバルインカム」、「短期豪ドル債」・・・・・・。

  いずれも国内で設定・運用されている投資信託のうち、純資産残高上位のファンド名に付けられている言葉だ。これらの共通点は「海外の投資対象」であること。ちなみに、これまで純資産残高でトップを走っていた国際投信投資顧問の「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、2位だったフィデリティ投信の「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」に、トップの座を譲った。「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の純資産残高トップは、実に12年にもわたって続いたことになる。

  現在、純資産残高が1000億円を超えるファンドは、2014年3月末時点において111本ある。全体の本数が4296本だから、その比率はわずか2.58%。それだけ純資産残高の少ないファンドが多いということだ。

  さて、純資産残高が1000億円を超えているファンドの投資先に注目してみたい。果たして、国内と国外に投資しているファンドの本数が、それぞれ何本あるのかをカウントしてみよう。

  まず、国内外の比較。海外市場に投資するタイプが87本。日本国内に投資するタイプが24本だ。そして、日本国内に投資するタイプのうち、株式に投資するものが10本となっている。また、日本の株式に投資する10本のうち4本はインデックス型で占められた。

  現状、少なくとも投資信託においては、日本株に対する人気が極めて低い。アベノミクスがスタートして1年以上が経過してこの状況なのだから、投資信託ホルダーの多くは、日本株の今後について、まだ懐疑的に見ていると考えられる。

  一方で、純資産残高1000億円を超えるファンドのうち8割近くを占める海外投資型のファンドについては、ハイ・イールド債、エマージング、通貨選択型、海外REITが幅を利かせている。投資対象の特異性、為替リスクの有無など、投資をするうえで必要なリスク要因の把握が難しいファンドが多い。「人気がある」という販売担当者の言葉を鵜呑みにすると、想定外のリスクに引っ掛かる恐れがあるので要注意だ。。(証券会社、公社債新聞社、金融データシステム勤務を経て2004年にJOYntを設立、代表取締役に就任、著書多数)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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