チェルノブイリ原発近辺の森林、放射能の影響によって腐敗が遅れる

2014年3月17日 20:32

印刷

記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 チェルノブイリ原子力発電所での事故発生から28年が経とうとしているが、発電所周辺の土地では枯れ木や落ち葉などの腐敗速度が遅いことが明らかになったそうだ(Smithsonian Magazineslashdot)。

 チェルノブイリ周辺に生息している鳥の脳は通常よりも著しく小さく、樹木の成鳥は遅く、虫や蜘蛛の数が少ないことなども分かっているという。サウスカロライナ大学の研究チームが行った調査ではその影響はさらに小さな微生物や菌類にもおよんでおり、これによって倒木や枯れ葉などが土に還るサイクルが変わっているようだ。

 調査では放射能汚染されていない枯れ葉を集め、虫などが混入していないことを確かめた上でメッシュの袋に入れて立ち入り禁止区域内に設置したそうだ。設置場所の汚染状況は様々であり、汚染が全く確認されていない場所にも設置された。1年近く後に枯れ葉の状態を確認したところ、汚染されていない場所では重量にして7~9割分の枯れ葉が無くなっていたのに対し、汚染箇所では6割が残っていたとのこと。また、このような枯れ葉の堆積により山火事の危険性が高まることも危惧されるそうだ。

 なお、研究チームは今後同様の調査を福島でも行う予定だそうだ。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | サイエンス | 原子力

 関連ストーリー:
チェルノブイリ原発関連施設の屋根、雪で一部崩落する 2013年02月15日
チェルノブイリ観光、解禁へ 2010年12月15日
チェルノブイリ原発事故、放射性物質に汚染された土壌に適応する植物 2010年09月24日
チェルノブイリの植物の放射性環境耐性機構が明らかに 2009年05月16日
チェルノブイリは奇妙な野生の王国 2007年06月09日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事