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【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】前週の過剰なリスクオフムードに対して一旦はリバウンド局面
(17~20日)
来週(3月17日~20日)の株式・為替相場は、ウクライナ情勢と18日~19日開催の米FOMC(連邦公開市場委員会)(19日に声明発表とイエレンFRB議長の記者会見)が注目点となる。過剰なほどにリスクオフムードを強めた前週に対して一旦はリバウンドの動きが優勢となりそうだ。ただし週末3連休を控えた薄商いの中で先物が上に下に振り回す可能性もあるだろう。
前週は中国の金融不安や景気減速懸念、さらに16日予定のクリミア自治共和国の住民投票に向けてウクライナ情勢の緊迫化に対する警戒感を強め、世界的にリスクオフムードの展開となった。外国為替市場でドル・円相場は1ドル=101円台前半までドル安・円高方向に傾いた。
日本株の主要株価指数を週間騰落率で見ると、日経平均株価は946円41銭(6.20%)下落、TOPIXは72.27ポイント(5.85%)下落した。ただし米国株の主要株価指数を見ると、ダウ工業株30種平均株価は5日続落したが387ドル05セント(2.36%)の下落、S&P500株価指数は36.91ポイント(1.97%)の下落にとどまっている。日本株の大幅下落が目立つ形だ。
10日~11日の日銀金融政策決定会合で追加緩和が見送られたとはいえ、大方の予想どおりの結果だった。4月消費増税後のマイナス影響に対する警戒感は、すでにある程度織り込んでいる。3月期末に向けて機関投資家が益出しを急いだ可能性はあるが、前週に関して日本株だけが突出して下落する国内固有のネガティブサプライズは見当たらない。日経225先物が世界有数の投機商品となった感はあるが、やはり過剰反応だろう。
その後は3月24日の中国3月製造業PMI速報値(HSBC)、4月3日のECB(欧州中央銀行)理事会とドラギ総裁の記者会見、4日の米3月雇用統計、7日~8日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。
来週は、前週末14日のCME日経225先物(円建て)が大証比70円安の1万4150円だったことを受けて売り優勢でスタートしそうだ。しかし売り一巡後は次第に、過剰なほどにリスクオフムードを強めた前週に対して一旦はリバウンドの動きが優勢となりそうだ。
引き続きウクライナ情勢が最大の焦点となるが、16日予定のクリミア自治共和国の住民投票ではロシア編入賛成が多数を占めることが予想されている。その後は17日に欧米によるロシアへの追加制裁措置発動が予想され、米ロの駆け引きや睨み合いで予断を許さない状況が続くが、一気に最悪の事態に向かう可能性は小さいだろう。
18日~19日開催の米FOMCに関しては、2月雇用統計で非農業部門雇用者増加数が市場予想を上回る強い結果だったことを受けて、今回も100億ドル規模のテーパリング(量的緩和縮小)を継続するとの見方が優勢であり、19日の記者会見でイエレンFRB議長が、米景気認識やフォワードガイダンスにどのように言及するかが注目される。米景気見通しに楽観的な見通しを示せば、米国市場に安心感が広がる可能性があるだろう。米10年債利回りが上昇すれば、外国為替市場ではややドル高・円安方向に傾くだろう。
株式市場での物色動向としては引き続き、消費増税の反動影響や追加金融緩和期待感後退の影響を受けにくいセクターとしてゲーム関連、再生エネルギー関連、ロボット関連、公共投資関連、さらに3月期末の高配当利回り関連などに注目したい。
その他の注目スケジュールとしては、17日の米2月鉱工業生産・設備稼働率、米3月ニューヨーク州製造業業況指数、米3月住宅建設業者指数、18日の日本14年公示地価、中国2月新築住宅価格、独3月ZEW景気期待指数、ユーロ圏1月貿易収支、米2月消費者物価指数、米2月住宅着工件数、19日の日本2月貿易統計、日本1月景気動向指数CI改定値、米第4四半期経常収支、20日の米2月中古住宅販売、米2月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米3月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米FRBによる銀行の年次ストレステスト結果発表、20日~21日のEU首脳会議などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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