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アポロ9ミッションから45年――アポロ月着陸船、初の有人飛行
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今から45年前の3月3日、アポロ月着陸船(Apollo Lunar Module)が初めて有人で打ち上げられ、宇宙で動くかが試験された。
アポロ月着陸船はその名の通り、有人の月面着陸を目指したアポロ計画において、実際に月に着陸し、宇宙飛行士たちの拠点となり、かつ月からの帰還に使用する宇宙船として開発された。つまり最初から最後まで宇宙空間の中だけで活動するように造られており、その点では世界初の、そして今のところ唯一の、真の宇宙船と言えよう。
アポロ月着陸船はまず、1968年1月22日に、サターンIBロケットで初めて宇宙空間に送られた。これはアポロ5ミッションと呼ばれ、無人での飛行試験を目的としたものだ。このミッションではロケットエンジンの点火や、緊急時を想定した、下降段を接続した状態で上昇段のロケットに点火する試験などが行われた。
そして1969年3月、いよいよ実際に人が乗り、宇宙空間で操縦する試験を目指したアポロ9ミッションが行われた。参加した宇宙飛行士はジェームズ・マクディビット(船長)、ラッセル・シュワイカート(月着陸船のパイロット)、デイヴィッド・スコット(アポロ司令船のパイロット)の3名だ。また、司令船にはガムドロップ(Gumdrop、飴)、月着陸船にはスパイダー(Spider、蜘蛛)という愛称が与えられた。
彼らと月着陸船を乗せたサターンVロケットは、1969年3月3日11時ちょうど(東部夏時間)、フロリダ州のケネディ宇宙センターから離昇した。ロケットは順調に飛行し、司令船と機械船、そして月着陸船は、高度189.5 x 192.4km、軌道傾斜角の32.57度の地球周回軌道に投入された。
その後司令船/機械船と、ロケットの第3段に結合されていた月着陸船がドッキングし、月着陸船を第3段から引き離した。そして機械船のエンジンの噴射試験や、月着陸船側のエンジンの噴射試験などを行い、両者は一度分離された。その後、月着陸船単独でのエンジン噴射試験も行われ、そして月着陸船の上昇段と下降段が分離。そして上昇段と司令船は再びドッキングを果たした。
また、シュワイカー宇宙飛行士とスコット宇宙飛行士による、アポロ計画用の宇宙服を着ての船外活動(EVA)も行われた。
その後、司令船から月着陸船を分離し、軌道を離脱。3月13日12時1分に北大西洋上に着水し、ミッションを終えた。総飛行時間は10日と1時間54分、飛行距離は680万kmに及んだ。
アポロ9ミッションの成功によって、打ち上げ後の月へ向かう過程、月周回軌道への投入、月着陸船の分離と月面への下降、上昇、再びのドッキングと月軌道からの離脱、そして帰路といった、実際の月への飛行にまつわる、月への着陸以外の一連の流れを試験することができた。アポロの司令船と機械船は、すでにアポロ7で有人での地球周回飛行を、そしてアポロ8では有人で、月をほぼ1周する飛行を済ませており、これでアポロ計画にとって必要なすべての要素の実証が終わったことになる。
それは人類が本当に月へ向けて旅立つ、わずか4ヶ月前のことであった。
写真=NASA
■Apollo 9 | NASA
http://www.nasa.gov/mission_pages/apollo/missions/apollo9.html
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