北朝鮮、ミサイル発射 “よくあること”と海外メディアも冷静な報道

2014年3月4日 13:32

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記事提供元:NewSphere

 韓国国防省は、3月3日の早朝、北朝鮮が2発の短距離ミサイルを発射したと発表した。2月27日からすでに6発のミサイルが発射されたことになり、韓国国防省は警戒と監視を強めている。

【米韓合同軍事演習への抗議か】

 ロイターによれば、2発のミサイルは北朝鮮の東海岸沖に向けて発射され、飛行距離は約500kmと推定される。韓国国防省は、スカッドC型であったと分析しており、このミサイルであれば、日本と韓国を射程距離に収めることができるという。

 海外各紙は、2月27日以降北朝鮮によって発射されたミサイルすべてが東の海上に向けられていることから、24日に始まった米韓合同軍事演習への抗議として打ち上げられたようだと報じている。

【ミサイル発射はよくあること】

 海外メディアは、一連のミサイル発射を冷静に受け止めている。

 CNNは、今回のミサイル発射が、米韓への核の先制攻撃の脅威と朝鮮戦争の休戦を無効化すると宣言した、昨年のような北朝鮮の軍事力誇示の再来の前触れとはならない、という外交専門家の意見を報じている。

 ロイターは、北朝鮮のミサイル発射は、通常の軍事訓練の一環として「よくあること」と表現。AFP通信も、今となっては珍しさもないため、打ち上げ後、韓国メディアにも報道されず終わるケースもたびたびあると述べている。

 また、北朝鮮は、米韓合同軍事演習を「侵略の挑発的リハーサル」として常に非難しているという事実を挙げ、この時期になると特に不快感を表そうと、ミサイル発射という手段を取ると説明している。

【韓国、非難のトーンは弱め】

 AFP通信によれば、韓国は今回のミサイル発射を「計算された挑発行為」と非難している。ただ、朝鮮戦争で生き別れになった南北離散家族の再会事業が時期を同じくして始まったことで、昨年とは対照的に、両国間に雪解けを思わせるようなムードもあるという。

 北朝鮮は短距離ミサイルを数百発保有しており、中距離モデルでも開発とテストを重ね、限定的ではあるが成功を収めている。同通信は、大陸間弾道弾の使用も可能だという北朝鮮の主張は、ほとんどの専門家から疑問視されているが、活発かつ野心的なミサイル開発プログラムが着実に前進していることは、間違いないと述べている。

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