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13年度の景気天気はおおむね「晴れ」 TDBが調査
景気が上向いている。帝国データバンク(TDB)が全国2万社を超える企業を対象に調査している「TDB景気動向調査」では、2014年1月の景気DIが50.0(前月比0.5ポイント増)と、2002年5月の調査開始以来、初めて50台に達した。また、内閣府が2月17日に発表した2013年10~12月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値では、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、年率換算で1.0%増と4四半期続けてプラス成長となった。4月の消費税率引き上げへの、駆け込み需要の影響から、個人消費や住宅投資が堅調に伸びているという。
こうした背景を受け、帝国データバンクでは100業界226分野について、各業界の企業業績や経営環境に基づいた2013年度(2013年4月期~2014年3月期)の動向と2014年度(2014年4月期~2015年3月期)の展望を調査し、「2013~2014年度「業界天気図調査」としてまとめた。このレポートでは、業界の動向を天気に例え、最も良い「快晴」から、「晴れ」、「薄日」、「曇り」、「小雨」、「雨」、最も悪い「雷雨」まで、7段階に分類し、集計を行った。
結果を「快晴」、「晴れ」、「薄日」の3段階を「晴天」に、「小雨」、「雨」、「雷雨」の3段階を「雨天」に分類すると、13年度の動向は全226分野中64分野(構成比28.3%)が「晴天」と、前年度(46分野)から18分野増加した。このうち、最も良い「快晴」は無く、「晴れ」は13分野で前年度比1分野増、「薄日」は51分野で同17分野増と増加が顕著となった。
一方、「雨天」は81分野(構成比35.8%)と、前年度(100分野)から19分野減少。このうち、「小雨」は42分野で前年度比7分野減、「雨」は29分野で同6分野減、最も悪い「雷雨」が10分野で同6分野減となった。
前年度からの天気の好転・悪化動向を見ると、「好転」は69分野(構成比 30.5%)にのぼった。「横ばい」は139分野(同61.5%)を数え最多を占めたものの、「悪化」は18分野(同8.0%)にとどまったとしている。
『建設』は公共工事の増加に加えて、民間設備投資の持ち直しにより上位・中堅企業の増収が目立ち、前年度の「曇り」から「薄日」へ好転。また、『ソフトウェア開発』も大手企業を中心にクラウドサービスやビッグデータなどの活用に向けたシステム投資が底堅く推移し、同じく「曇り」から「薄日」へ好転した。
『家電製造』はテレビ部門の不調が続くものの、白物家電が好調に推移し、前年度の「雷雨」から「雨」へ好転し、底入れの兆しを見せた。また、『半導体製造』も、メモリの需給状況が改善したほか、自動車関連市場の拡大や円安の恩恵で、上位企業の収益が改善し、「雷雨」から「雨」へ好転した。
2014年度は、全226分野中「晴天」が72分野(構成比31.9%)と、前年度から8分野増加。このうち、最も良い「快晴」は無く、「晴れ」は17分野で前年度比4分野増、「薄日」は55分野で同4分野増となり、引き続き「晴天」の増加が目立った。一方、「雨天」は76分野(構成比33.6%)と、前年度から5分野減少。このうち、「小雨」は41分野で前年度比1分野減、「雨」は26分野で同3分野減、最も悪い「雷雨」が9分野で同1分野減となった。
しかし、前年度からの天気の好転・悪化動向を見ると、「好転」は34分野(構成比15.0%)を数えたものの、前年度(69分野)からは半減する見通しとなった。「横ばい」が179分野(同79.2%)にのぼり最多。「悪化」は13分野(同5.8%)にとどまった。
このように、ここ一年の景気天気はおおむね好転している。しかし、4月には消費税の増加がひかえている。住宅や自動車などのように政府による消費喚起策が実施されている業界以外では、消費税率引き上げ後に消費者の低価格志向が一層強まるという懸念もある。帝国データバンクでは、より消費者に近い『スーパーマーケット』や『アパレル』『外食』などの業界では価格競争の激化が必至で、天気の好転は難しい見込みだとしている。(編集担当:慶尾六郎)
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