モノ造りを革新的に変えてくれるモノ「3Dプリンター」

2014年2月25日 15:06

印刷

■3Dプリンター=モノ造りの革新的なツール
 “3Dプリンター”を皆さんはご存じでしょうか。

 先日、NHKのテレビで「メイドインジャパン・新成長戦略・国家の攻防」と題して放送していましたが、今モノ造りの変革で大きなトリガーになりそうな3Dプリンターの話です。

 言葉だけからは、我々が通常使っているパソコンと連動している紙の印刷出力のプリンターのようですが、全く違っていて、モノ造りの革新的なツールです。

 原理は3次元のCADで作成したデータをこの3次元プリンターに送ると3次元の立体の造形物を自動的に作ってくれます。英語ではRapid Prototypingといわれ立体モデルの造形を可能にするツールです。

■手軽に手に入る3Dプリンター
 今までは3次元のCADがあってもこのデータで紙の図面を出力し、試作金型をつくり、この試作型で成形して立体のモデルを作ります。製作期間も早くて2ヶ月~3ヵ月かかります。ところが、この3Dプリンターがあると長くて1晩でこの立体モデルを作成してくれます。従来のモノ造りの方法を革新的に変えてくれる製品です。

 10年前からこの3Dプリンターがありましたが、価格が数千万円~億単位しました。これが、現在は精度の高いもでも500万円レベルで手に入り、安いものでは10万円台のものもあります。この価格低下により一気に普及しだしたのではないかと思います。

 3Dプリンターで使える材質はABS樹脂のような樹脂が主体ですが、最近は金属の材料も使用でき、試作品、金型等にも応用できるようです。

 用途は量産メーカの試作モデル、金型、販売用の少量生産品、フィギィア等の模型玩具、医療用の人体モデル等かなり多用途に使われだしています。

 これから3次元CADと3Dプリンターがあれば、従来の開発のプロセス、モノ造りのプロセスを革新的に変えてくれる企業に取って、夢のような製品だと思います。

著者プロフィール

中山 幹男

中山 幹男(なかやま・みきお) 株式会社A&Mコンサルト 代表取締役

大阪大学工学部機械学科卒業後、大手自動車メーカにおいて商品企画、設計・開発、品質管理、環境対策業務等に従事。その後大手コンサルティングファームの経営コンサルタントとして7年間勤務。
韓国の大手家電メーカを手始めに製造業を中心としたコンサルティングを実施する。1997年に「現場主義を貫き、行動的に活動して成果を出す経営コンサルティング」を目指し、A&Mコンサルトを設立し現在に至る。激変の環境変化の中で、企業の永続的な存続を前提に戦略構築、仕組改革、組織風土改革のトライアングル視点で企業の体質強化を図る。
会社URL  http://www.a-and-m.biz

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