イノベーションを進めるためには

2014年12月8日 13:56

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■イノベーションとは

 イノベーションの意味は一言では【現状に対して新しい事を実行し、新たな価値を生み出す事】になります。

 企業は人間と同じように何十年も経営活動を続けていると老化現象がおき、機能が低下します。これを変革し、外部環境の変化に柔軟に適応し、生き残る為にはイノベーションを起こす必要があります。

 イノベーションの種類は新製品・新技術によるプロダクトイノベーション、新製法、工法によるプロセスイノベーション、新材料、新原料によるマテリアルイノベーション、新市場の開拓によるマーケティングイノベーション、新組織によるオルガナイズイノベーションの5つがあると言われています。

 この5つのイノベーションをおこす為にはトップの戦略的な仕掛けは当然ながら、イノベーション的仕事内容の理解、イノベーションを起こす企業風土、イノベーションを起こす為のトップ・マネジャー・担当者の役割認識が必要になります。

 イノベーション的仕事とは明らかに日常業務のオペレーション業務ではなく、現状と一線を画した革新的業務になります。革新アイデアは過去の経験、あるいは論理からではなく、感性から生まれる場合が多いと感じます。

■イノベーションが生まれる風土

 また、イノベーションが生まれる風土ですが、①前向き、プラス思考②現場を見る、事実を正しく捉える③常に本質を問う考え方が徹底している(ホンダは目的思考で考える、トヨタのなぜ5回)④現状否定、今までのやり方、経験を捨てる⑤強い想いを持つ⑥徹底した議論を繰り返す(ホンダ流 ワイガヤ)⑦良いと思ったらまずやってみるというような価値観が根付いている企業にイノベーションが生まれます。

 そして、このイノベーションを起こす為には若手が情熱をもって色々なアイデアを出し、マネジャークラスはこのアイデアから本物を見つける為に本質を問い、役員クラスはこの若手が目を輝かせて、訳のわからない事を3回言って来たら騙されてやるスタンスを持つ事が必要です。

 アベノミクスでデフレ脱却の手掛かりを掴んだ企業が出始めていますが、このイノベーションの考え方を理解して、実行していく企業が本当の成長企業になると思います。

著者プロフィール

中山 幹男

中山 幹男(なかやま・みきお) 株式会社A&Mコンサルト 代表取締役

大阪大学工学部機械学科卒業後、大手自動車メーカにおいて商品企画、設計・開発、品質管理、環境対策業務等に従事。その後大手コンサルティングファームの経営コンサルタントとして7年間勤務。
韓国の大手家電メーカを手始めに製造業を中心としたコンサルティングを実施する。1997年に「現場主義を貫き、行動的に活動して成果を出す経営コンサルティング」を目指し、A&Mコンサルトを設立し現在に至る。激変の環境変化の中で、企業の永続的な存続を前提に戦略構築、仕組改革、組織風土改革のトライアングル視点で企業の体質強化を図る。
会社URL  http://www.a-and-m.biz

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