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花粉時期到来 今年は九州・近畿・北海道で例年以上の予測
花粉症の人にとって、憂鬱な季節がやってきた。花粉症の患者数は年々増加の一途をたどっており、日本人のおよそ5人に1人、約2000万人以上の人が花粉症を患っているといわれている。中でもスギ花粉症は1500万人以上を占めるといわれており、花粉が飛び交うこの時期になると、その飛散量は国民的な関心事となっている。
日本気象協会の予測によると、今年春のスギ及びヒノキ花粉(北海道はシラカバ)の総飛散数は、九州から近畿地方と北海道は例年並みかやや多く、東海から東北地方は例年より少ない見込みとなっている。
花粉症は、単に患者本人が辛いだけでなく、日本経済にとっても大きな打撃を与えているようだ。コンタック総合研究所の調査によると、花粉症による生産性の損失は1日あたり約6,000円。この数字を仮に2000万人で単純に掛けてみると、一日で1200億円にも上る労働損失になる。さらに医療負担などを考えると、経済損失は計り知れない。
一方、関連企業にとっては大きなビジネスチャンスになっている側面もある。例えば、今年1月17日にスギ花粉症治療用の花粉エキス「シダトレン」について、厚生労働省から国内の製造販売の承認を受けたJT傘下の鳥居薬品は、翌週の株価でストップ高を付けている。また、ジェイアイエヌが展開するメガネストア「JINS」では、最大で98%の花粉をカットできる花粉対策メガネ「花粉Cut」を昨年に引き続いて販売しており、すでにテレビCMなどでも積極的に宣伝活動を行っている。累計販売本数20万本というヒット商品は、今シーズンも注目を集めそうだ。
また、花粉といえば目薬だが、こちらは花粉対策目薬の草分け的な「ロート点眼薬アルガード」を展開するロート製薬が、今年もトップシェアを維持しそうだ。同社では、花粉症がまだこれほど注目される前、1987年からいち早く花粉対策目薬「ロート点眼薬アルガード」を発売しており、以来、25年以上にわたってトップシェアを維持している、いわば花粉症目薬の老舗ブランドだ。
日本初のソフトコンタクトレンズ装用中に使用可能な「ロートアルガードコンタクト」など、「アルガード」ブランドの花粉対策目薬は合計7品目発売されているが、今年はそのラインアップに花粉飛散前から使用できる「ロート アルガード プレテクト」が加わった。こちらの製品は、日本で初めて医療用成分「トラニラスト」を配合したOTC目薬で、花粉飛散前から早期使用することによって、花粉飛散ピーク時の目のかゆみや、涙がでるなどの症状を抑えるアレルギー専門目薬となっている。
現在のところ、花粉症を完全に治せる治療薬は開発されていない。症状を和らげたるための治療も高額なため、一般的とは言い難い。やはり、ドラッグストアなどでも簡単に手に入る対策グッズで自衛するのが一番の方法だろう。1日1200億円の経済損失は決して大げさな数字ではない。その10分の1でも改善されれば、日本経済にとっても大きな利益となる。経済復興が正念場を迎えている今、花粉症の人にはぜひとも、早めの対策を心がけて頂きたいものだ。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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