【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】主要経済指標に反応する米国株睨みの展開

2014年2月16日 14:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

(17日~21日)

  来週(2月17日~21日)の株式・為替相場は、米国の重要イベントや国内主要企業の13年4~12月期決算発表を通過して、やや手掛かり材料難となる。リバウンドの動きも一巡して方向感に欠けるが、日々の米主要経済指標に反応する米国株を睨みながらの展開だろう。

  前週の日本株式市場は後半に入ってリバウンドの動きが失速し、週間ベースで見ると日経平均株価は149円38銭(1.04%)の下落、TOPIXは5.32ポイント(0.45%)の下落となった。先物主導で日経平均株価の下落が目立った。新興国通貨不安に端を発したリスクオフムードが後退し、米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が週間ベースで360ドル31セント(2.29%)上昇し、ナスダック総合株価指数が14日に終値ベースで07年7月以来の高値を付けたのとは対照的な形となった。

  米国株に関してはダウ工業株30種平均株価が、13日に終値で1月23日以来となる1万6000ドル台を回復し、14日も前日比126ドル80セント高と続伸した。7日の米1月雇用統計、11日のイエレン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の米議会下院での証言(13日の上院での証言は悪天候の影響で延期)、そして連邦債務上限引き上げ問題という重要イベントを、結果的に大きな波乱なく通過したことで安心感に繋がったようだ。

  前週の日本株が米国株との連動性が薄れたことに関しては、アベノミクス成長戦略への期待感後退による海外投資家の売りが指摘されている。またリスクオフムードは後退したが米長期金利が小動きとなり、外国為替市場のドル・円相場が概ね101円台後半~102円台前半で推移して、やや膠着感を強めたことも日本株の弱含みに繋がっているようだ。

  来週は海外要因として米国の重要イベント、国内要因として13年4~12月期業績発表が一巡したことでやや材料難となるが、前週末14日の米国株が上昇したことが安心感に繋がり、週初17日は外国為替市場、日本株市場ともに堅調なスタートとなりそうだ。ただし17日の米国市場がプレジデンツデーで休場のためドル買い・円売り、日本株買いの動きは限定的だろう。その後は方向感に欠け、日々の米主要経済指標に反応する米国株を睨みながらの展開となりそうだ。

  17日の日本10~12月期GDP1次速報値に関しては材料視され難いだろう。すでに市場は消費増税後の4~6月期の減速を織り込み始めている状況だ。17日~18日に日銀金融政策決定会合が開催されるが、金融政策変更の可能性は小さいとの見方が有力であり、会合後の黒田総裁の記者会見で追加緩和に言及するかが注目されている。19日の米FOMC議事要旨(1月28日~29日開催分)公表に関しては、外国為替市場の反応に注意が必要となりそうだ。週末22日~23日のG20財務相・中央銀行総裁会議では、米FRBの量的緩和縮小に伴う新興国経済混乱への対応などが協議される見込みだ。

  チャート面で見ると日経平均株価、TOPIXとも2週連続で26週移動平均線を割り込み調整局面入りが意識されている。日経平均株価1万4000円近辺では下値を買う動きが観測されているが、2月4日の安値を割り込まずに下値固めの動きを強めるかも焦点だろう。株式市場での物色動向としては、3月期決算銘柄の13年4~12月期業績発表が一巡したため、業績による銘柄選別の動きが強まるだろう。また2月期末および3月期末が接近して、高配当利回り銘柄に対する個別の配当権利取りの動きも活発化しそうだ。

  その他の注目スケジュールとしては17日のユーロ圏財務相会合、18日のトルコ政策金利発表、独2月ZEW景気期待指数、ユーロ圏12月経常収支、EU財務相理事会、米2月ニューヨーク州製造業業況指数、19日の米1月住宅着工件数、20日の日本1月貿易統計、中国2月製造業PMI速報値(HSBC)、ユーロ圏2月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、米1月中古住宅販売、米1月消費者物価指数、米1月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米2月製造業PMI速報値(マークイット)、米2月フィラデルフィア地区連銀業況指数などがあるだろう。

  その後は、2月26日のブラジル中銀政策金利発表、3月4日の豪中銀理事会、5日~6日の英中銀金融政策委員会、6日のECB理事会とドラギ総裁の記者会見、7日の米2月雇用統計、10日~11日の日銀金融政策決定会合と黒田総裁の記者会見、18日~19日の米FOMC(連邦公開市場委員会)とイエレンFRB議長の記者会見などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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