米アマースト大学の研究者チーム、擬似的な磁気モノポールの作成と観測に成功

2014年2月3日 13:21

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 理論物理学者ポール・ディラックは、1931年に量子力学の観点から磁気単極子(磁気モノポール)が存在することを予測した。磁気モノポールとは、通常の磁石はS極とN極を有しているのに対し、S極かN極のどちらか一方のみで構成された磁性粒子のこと。ディラックの論文から約85年後の昨年9月、米アマースト大学物理学教授David S. Hall氏とフィンランドのアールト大学のアカデミー研究員Mikko Mottonen氏は、この磁気モノポールを擬似的に再現し。その撮影に成功した。この研究は電子の発見に匹敵する画期的な成果だといえる(PHYS.ORGnatureslashdot)。

 この発見に関する論文は1月29日にnature誌に掲載された。David S. Hall氏らのチームは、ディラックの理論を調査するために革新的なアプローチを用いた。それはボース・アインシュタイン凝縮によって発生する人工の磁場環境で合成磁気モノポールを作り出して観測するという方法。制御された環境で量子力学的実体を観察することはこれまで前例がなかった。

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