羽田空港国際化へ 明暗を分けた日本の二大エアライン

2014年2月1日 14:41

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記事提供元:エコノミックニュース

国土交通省は昨秋、羽田の昼間時間帯の国際線発着枠の配分を決めたが、日本の二大航空会社で大きく明暗を分ける形となった。

国土交通省は昨秋、羽田の昼間時間帯の国際線発着枠の配分を決めたが、日本の二大航空会社で大きく明暗を分ける形となった。[写真拡大]

 羽田空港の国際化が着々と進んでいる。

 羽田空港は2014年3月末から、昼間時間帯の国際線発着枠を年間3万回から6万回へ倍増させる。それに伴って、空港施設拡張工事が行われており、8つの搭乗ゲートと駐機スポットを備える「サテライト」の新設や、ターミナルビルの本館部分の増設、さらには約300室の客室を有するロイヤルパークホテルズの新機軸ブランド「ロイヤルパークホテル ザ 羽田」が新設され、2014年9月末の開業を予定している。

 この拡張工事により、搭乗手続きカウンターは現行の96から144に大幅に拡張され、航空機の駐機スポットも10スポットから18スポットと、施設もほぼ倍増されることになる。

 国土交通省は昨秋、羽田の昼間時間帯の国際線発着枠の配分を決めたが、日本の二大航空会社で大きく明暗を分ける形となった。ANA<9202>の11便に対し、JAL<9201>はわずかに5便しか獲得できなかった。現行では2社とも1日当たり10路線13便と同じであるため、JALはANAに大きく水をあけられた形だ。

 また、ANAは同社の強みの一つでもある、羽田に就航中の国内線ネットワークを活用することで単純な数字以上のメリットが望めるだろう。ANAでは、ベトナムのハノイとアメリカのバンクーバーにそれぞれ国際線を新規就航させるほか、ロンドンやパリ、ミュンヘン、ジャカルタ、マニラ、さらにはフランクフルト、アジアのシンガポール、バンコクの3路線についても昼間時間帯に1便ずつ増便し、羽田における国際線ネットワークを合計17路線23便に大幅拡大する。

 羽田の国際化に向けての動きは、何も航空会社だけに影響が留まるわけではない。例えば、日本通運<9062>では、国際便発着枠拡大に伴って貨物の増加が見込まれることから、羽田空港内に同社が保有する保税上屋と連携を一層強化するとともに、BILT-2内に保税蔵置場を新設するなど対応策を講じている。また、空港に乗り入れている東京モノレール沿線のマンション等が、ここ数年でじわじわと値上がりしているともいわれている。

 2020年には東京オリンピックの開催も控えており、海外からの注目も集まり観光客の増加も見込まれる今、成田よりも利便性の高い羽田空港の国際線発着数が増えることは、日本経済にとってもプラス材料であることは間違いない。しかしながら、日本の空港にはもう一つ、大きな問題がある。それは、高額な発着料や利用料金の問題だ。

 そもそも、羽田の再国際化やハブ空港構想の裏には、韓国の仁川空港の台頭がある。羽田を国際化したからといって、路線を取り戻せる保証はない。現に、海外諸国の格安航空LCCは日本の空港にはほとんど乗り入れていない。羽田が真の国際空港を目指すのであれば、枠や営業時間、施設の拡大だけでなく、そのあたりをもっと検討する必要があるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)

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