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【マーケット・銘柄Q&A】日経平均がNYダウを上回る時期は来るか
■日本は金融緩和だけでは限界、成長戦略が形になれば日経平均上ザヤ実現も
【Q】 NYダウと日経平均の単位を外して比較し、その推移を見ていますと、日経平均はNYダウに対し0.95倍前後での推移となっています。かつては、1倍を超えていた時期もあったようですが、今後、日経平均がNYダウを上回る日は来るのでしょうか。
【A】 ご指摘通り、最近、数年は日経平均がNYダウを下回っての推移となっています。いつ頃から下回っているかと見ますと、日々ベースでのデータは持ち合わせていませんが、たとえば、リーマンショック後の安値である2009年3月では日経平均6994円、NYダウ6469ドル(いずれも場中値)と、日経平均が上に位置しその比率は1.08でした。
この2009年3月あたりを境目としてNYダウが日経平均に対し上ザヤとなり始めたとみられます。そして、たとえば2012年10月には日経平均8488円、NYダウ1万3661ドルとなって日経平均はNYダウに対し0.62倍までNYダウとの差が開いていました。足元では、この倍率は、ご指摘の通り0.95~0.96倍での推移となっています。1倍に近づいていますが、まだ、日経平均がNYダウを上抜くところまでには達していません。
いくつかの理由があると思われます。(1)アメリカはリーマンショックの後、思い切った超金融緩和を実施した、(2)この結果、2009年当時に10%を超えていた米国失業率が足元では6.7%(2013年12月)まで大幅改善されるなど米国の景気企業業績が回復し向上している、(3)一方、日本は、企業よりも庶民優先政策の民主党政権下でバブル崩壊の立ち直りが進むどころか、むしろデフレか進み市場主義のメインプレヤーである企業の活動が萎縮した、(4)とくに、アメリカのような低金利政策を採ることができなかったため日米金利差から円高が進み企業収益を圧迫し雇用不安が高まった、(5)東日本大震災の影響を受けた~ことなどが日経平均(=日本のマーケット)の不振につながっただった、といえるのではないでしょうか。
2012年秋の政権交代で企業に活気が戻り収益は回復し雇用も改善、消費も上向いています。しかし、日経平均が2013年以降現在までNYダウを上回ることができないでいるのは、日本の景気企業業績回復がまだ本物と言い切れないからだと思います。エネルギー制約と少子高齢化というかつてない重石で、いくら金融を緩和しても本格上昇には至っていません。現実では、貿易収支の大赤字と膨大な財政赤字という双子の赤字が外国人投資家の日本株を見る目を厳しくしているのではないかと思われます。
したがって、今後、日経平均がNYダウを上回る状況となるには、金融緩和だけでは限界があります(日本はアメリカのように個人の株保有比率が高くないため資産効果に限界がある)から、成長戦略の実行が必要です。特区構想、法人税引下げ、TPP傘下、規制緩和など企業が活躍しやすいようになれば、そのときは日経平均はNYダウを上回るものとみられます。かつて、日本が高度成長経済の昭和40年代には日経平均がNYダウに対し10倍という時代もありました。そこまでの倍率アップは無理としても、再び日本経済に元気が出れば日経平均がNYダウに対し1.5倍というときは期待できるでしょう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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