彗星探査機ロゼッタ、冬眠モードから復帰

2014年1月23日 07:00

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記事提供元:sorae.jp

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  欧州宇宙機関(ESA)の彗星探査機ロゼッタが20日、約31ヶ月間の冬眠から目覚めた。これから徐々に目的地であるチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に接近、8月に到着する予定だ。

  ロゼッタは2011年6月8日から、搭載機器の電源を落とす冬眠モードに入っていた。この間、ロゼッタは太陽から最大で8億km、木星よりも遠いところまで離れてしまう。ロゼッタは太陽電池で動くため、これほどまで離れると動かせなくなるのだ。

  そしてあらかじめセットされていた目覚まし時計の時間通り、協定世界時1月20日10時ちょうど(日本時間同日19時ちょうど)に、ロゼッタは目覚めた。その後、姿勢制御に使う機器を再起動させ、機体の姿勢を立て直し、アンテナを地球へと向けて信号を発信した。そして起床から約8時間後の18時18分(日本時間21日3時18分)に、米国とオーストラリアのアンテナが、約8億km彼方のロゼッタからの信号を捉えた。

  ロゼッタは2004年3月2日に、仏領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられた探査機で、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の周囲を周って長期間に渡って観測をし、またフィラエと呼ばれる小型探査機を着陸させ、探査することを目指している。これまで彗星にはいくつかの探査機が訪れているが、いずれも彗星の近くを通過する観測ばかりで、その正体はまだ謎の部分が多い。ロゼッタによって長期間、そしてフィラエによって直接"触れる"探査が行われることで、その構造の解明や、太陽系や地球の水、そして生命が誕生した経緯の鍵が見つかることが期待されている。

  打ち上げから約1年後、2005年3月4日に最初の地球スウィング・バイを実施、地球の万有引力を利用し軌道の方向を、そして地球の公転運動を利用して探査機のスピードを上げた。2007年2月25日には火星でのスウィング・バイを実施、同じ年の11月13日には再び地球をスウィング・バイした。2008年9月5日には、小惑星シュテインスの近くを通過し、簡単な観測を行った。続いて2009年11月13日、3回目にして最後の地球スウィング・バイを実施、さらにスピードを上げ、2010年7月10日には小惑星ルテティアの観測を行った。そして2011年6月8日から「冬眠」に入った。

  現在ロゼッタは、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星とおよそ900万km離れた位置を飛んでいる。これからどんどん距離を詰めて行き、5月には200万kmまでになり、最初の写真撮影が行われる予定だ。そして8月に到着し、本格的な探査が行われる。また11月には搭載している着陸機のフィラエを彗星表面に投下する予定だ。

  その後もロゼッタは彗星の周りを飛び、徐々に太陽に近づいて行く彗星の変化を捉え続ける予定だ。ミッション期間は2015年12月まで計画されている。

 ■ESA’s ‘sleeping beauty’ wakes up from deep space hibernation / Rosetta / Space Science / Our Activities / ESA
http://www.esa.int/Our_Activities/Space_Science/Rosetta/ESA_s_sleeping_beauty_wakes_up_from_deep_space_hibernation

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