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デジタル一眼レフは世界のプロが支える。趣味性の高い高級機の出現か?
70年代のニコンの銀塩一眼レフ「F」を思わせるコンパクトなデジタル一眼レフ「Nikon Df」。市場価格はボディだけで25~27万円前後だ。[写真拡大]
ファッション誌などのペーパーメディア・雑誌などにおけるプロ写真家が使うカメラが、ほぼデジタルカメラに置き換わって10年ほど経った。商業誌プロカメラマンの世界でも銀塩カメラがほぼ完全に姿を消したわけだ。
それ以前の21世紀目前に、日米大手フィルム&カメラメーカーが共同でぶち上げ、発表されたAPS(Advanced Photo System)であっても35mmフィルムを駆逐できなかったのに、21世紀に入って急速に進化したデジタルカメラは、何とも“あっさり”と銀塩カメラを消滅させた。
しかし、別項で述べたようにその小型簡便デジタルカメラは、“あっさり”とケータイやスマートフォン・カメラに取って代わられた。今後、スマホカメラは進化するだろうし、サードパーティによる多彩なアプリケーションや周辺アクセサリー(スピードライトやアタッチメントレンズ)などが登場するだろう。
そのような傾向のなかで、「ミラーレス一眼がデジタル一眼レフに取って代わる」という見方もあるようだ。確かに、一般的なユーザーが購入するデジタルカメラは、比較的多機能で高品位撮影が可能なミラーレス一眼が主流になったと言えるのだろう。ただし、「ミラーレス機が一眼レフを席捲する」かというとやや異なった傾向を示す統計がある。2013年1~10月期国内向け出荷台数で一眼レフは139.8%(113.7万台)、ミラーレス機112.8%(65.6万台)であり、ミラーレス機の倍近い一眼レフが出荷されたのだ。
これは、きちんとした光学系ファインダーの着いた(ペンタリズムがある)一眼レフに対する高い需要を示している。つまり、「作品を撮影する」プロカメラマンや、それに準ずるハイアマチュアと言われる「高度な趣味を実現する」カメラとしての需要だ。
世界のカメラ工場たる日本における新聞社や出版社に所属する写真部員、加えてフリーランスのプロの写真家(カメラマン)とその助手の数を示す統計はないが、ざっと見積もって10万人前後といわれる。彼らが年間に1~2台の一眼レフ(それも最も高価な)を購入すれば……、さらにハイアマチュアが……と考えれば市場規模が見えてくる。国際的に見ても世界のプロ写真家は撮影ジャンルを問わず、サービス体制の整った日本製2社から自分のカメラを選んでいる。
また、プロ向けではないが、1昨年あたりからデジタルカメラの製品群にある種の新しい傾向が現れてきた。2012年秋に登場したFUJIのX-Pro1が先鞭を付けた分野だ。レンズ交換式のミラーレス機だが、そのスタイルはクラシカルなレンジファインダーカメラの高級機を模している。その後、FUJI「Xシリーズ」はラインアップを拡充して、それまでのFINEPIXシリーズと差別化を図った。その後、光学ファインダーは持たないがSONY RX-1Rなどが追随する。
そんな流れが一眼レフにも現れ、NIKON Dfが昨秋デビュー。直感的なダイヤル操作系と、幅広い撮像感度域をカバーする高画質を、携行性の高いニコンFXフォーマット最小・最軽量ボディで実現した。ボディ上面に配置された大きな金属製メカニカルダイヤルによる直接的かつ直感的な操作感は、アナログ一眼レフのニコンFなどの操作感を彷彿とさせる。
これら傾向はデジタルカメラを趣味性の高い領域で商品化したもので、今後のひとつの傾向となるのかもしれない。銀塩アナログカメラ時代にコンタックスT2などがヒットしたように、10年後でも中古価格が下がらないデジカメが登場するか?(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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