全般波乱の中で師走特有の材料系人気株中心の展開か=犬丸正寛の相場展望

2013年12月6日 16:26

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  来週は全般波乱商状の中で師走相場特有の材料系人気株中心の展開となりそうだ。

  まもなく発表のアメリカ雇用統計(11月分)によって、金融量的緩和政策の継続か縮小かの方向性がはっきりするものとみられる。ただ、NYダウは先月29日の高値1万6174ドル(場中)から短期間に383ドルも下げているため、金融政策がどちらの方向になろうとも一旦は反発が見込めるところに来ている。ポイントはNYダウが、どのていど上値に対し力強さを見せるかである。

  日経平均も同様である。終値では年初来高値をつけたものの、場中値ベースで5月23日の高値(1万5942円)を上回ることはできず、1万5100円台に反落となっている。仮に、二番天井ということになれば、先行きあるていどの調整も考えておかなくてはいけなくなる。

  とくに、1ドル・103円台まで円安が進んだにもかかわずトヨタ自動車など主力銘柄の上値は重かったことが気になるところである。日経平均は15日線を割り込み短期売買も難しくなっていることを示している。もちろん、業績が良いため日経平均は30日線(1万4900円ていど)を下回ることはないとみられるが、しばらくは15日線と30日線の間でのモミ合いに入る可能性はあるだろう。

  全般相場が大きく動かないとなると、主力株を避けて足の軽い材料系人気株が物色の中心となりそうだ。師走相場という特殊要因を考えるとその可能性は高いのではなかろうか。

  また、久々に買い越しに転じ、本格買いが期待されたた外国人投資家は後が続かず尻すぼみとなっている。新指数のJPX日経400導入に絡んで外国人投資家及び国内機関投資家の買いは期待できるものの、「本格的に買ってくるのは全般相場が本格調整してからだろう」(中堅証券)という見方もある。

  年内、残り3週間を考えると、足の軽い1部半的な小型銘柄や中低位の材料系人気銘柄が物色の中心になるものとみられる。とくに、売買単価6日平均値が907円でピークを打ち低下傾向にあることからみても値ガサ銘柄より中低位銘柄が短期筋の目に叶うものとみられる。

  手がける株数を控えめにして機敏な売買参加がよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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