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台風27号迫る 福島第一の汚染水対策に海外紙が懸念
福島第一原子力発電所を管理する東京電力は21日、20日に降った豪雨で、汚染水を貯蔵するタンクの周りを囲った堰(せき)から、汚染水が溢れ出たと発表した。汚染水は、数ヶ所のタンクで溢れ、溢れた汚染水の一部は、排水口を通って海に流れ出した可能性があるということだ。
溢れた水の放射線濃度を、東電が測定したところ、6ヶ所で、海に放出しても良いと国が決めているストロンチウム90の1リットルあたり10ベクレルという基準を上回っていた。最も濃度が高い場所では、基準値の約70倍であったという。ストロンチウムは体内に入ると、骨に蓄積され、ガンを誘発すると言われている。
【雨量を予測できず汚染水漏れに】
気象庁は、20日の降雨量を約10ミリと発表していた。東電は汚染水が漏れ出した原因について、約20ミリの雨量に対応できるよう準備していたが、最終的に雨量は100ミリを超えた。
また、前回の台風による降雨で、タンクを囲む30センチほどの高さのコンクリートの壁に既に20センチほど水が溜まっており、20日の雨水でさらに水位が増し、溜まった雨水が堰を超え溢れ出したという。
さらに、溜まった雨水を、汚染水を貯めるタンクにポンプで組み上げ送っていたが、台風による大量の雨水を処理するだけの能力がポンプにはなかった、と説明している。いまだ、組み上げ作業は進まず、いくつかの場所で、20センチほどの雨水が溜まったままだのようだ。
東電は、今回の高濃度の汚染水漏れについて、近隣の海への影響はないと説明している。
【汚染水対策の透明化】
東電は、福島原子力発電所の事故基を大量の水を使い、原子炉の炉心が再び溶解を始めないように、冷やしている。冷却に使用された水は、高濃度の放射性物質を含み、浄化処理をされるまで、タンクに貯蔵しなければならない。
雨水は、さらに問題を悪化させている。事故現場に降り注ぎ、放射能に汚染されているため、汲み出し、これもまたすべて貯蔵しなければならない。今週後半には、非常に強い台風27号が東日本の太平洋側を直撃されるとみられているが、東電は対策が間に合わない可能性があるとしている。
なお国際原子力機関(IAEA)は今年11月に、政府の求めに応じて福島を訪れ、原発の周辺の調査をし、日本が適切な対応が出来ているか、査定する予定だ。IAEAは、日本政府に、原発事故処理の進展と内容について、より透明化を図ること、を強く求めている。
国連の専門家チームは、日本は原発の事故処理に30年ほどかかるだろうと推測している。
【海外からも失策を非難する声】
ハフィントン・ポスト(米国版)には、東電を非難する多くの意見が見られる。
「東電は、はなから嘘をついている。放射能は漏れ続け、これから、何世紀にもわたって、それは続く。公に認識されているより、はるかに深刻な惨事だ」「なんで、東電がいまだに対応にあたってるんだ?誰がやっても、彼ら以上に下手な事故処理をするとは、到底考えられない」など、東電の対応のまずさを指摘した意見や、繰り返される失態に、「あらら、なんてこと。つまり、東京は2020年のオリンピック開催を考え直したほうがいいんじゃない?」などの意見もみられた。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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