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【水田雅展の為替・株式相場展望】米国のデフォルト回避を前提にリスクオンの流れ、政策関連のテーマ物色
<為替・株式相場展望>(15~18日)
来週(10月15日~18日)の株式・為替相場は、米国の財政問題(政府機関一部閉鎖の解除と連邦政府債務上限の引き上げ)で協議が進展し、17日が期限とされるデフォルト(債務不履行)を回避することを前提にすれば、リスクオンで株高・円安の流れとなるだろう。株式市場では主要企業の業績上振れを織り込む動きに加えて、10月15日に臨時国会が召集されるため政策関連のテーマ物色も活発化しそうだ。
米国の財政問題に関しては、野党の共和党が一時的に債務上限を引き上げる提案をしたが、11日時点ではオバマ米大統領と下院共和党の間の協議は合意に達していない。このため引き続き予断を許さない状況だが、市場にはデフォルトという最悪の事態は回避されるという期待感が広がっている。
医療保険改革法(オバマケア)や財政支出削減に関する協議が継続する可能性に注意は必要だが、週前半までに協議が進展してデフォルトを回避すれば、一旦は霧が晴れた状況になって一段とリスクオンの流れが強まるだろう。もちろん、協議が決裂して一時的デフォルトに突入すれば世界の金融市場は大混乱となる。
米FRB(連邦準備制度理事会)の金融政策に対する不透明感に関しても、オバマ米大統領が9日にバーナンキ議長の後任としてイエレン副議長を指名したため、量的緩和縮小ペースは緩やかになるとの見方が広がっている。量的緩和縮小の開始時期についても、米9月雇用統計など主要経済指標の発表が延期されていることもあり、次回10月29日~30日開催予定の米FOMC(連邦公開市場委員会)での量的緩和縮小開始という見方は後退している。
さらに、政府機関の一部閉鎖などが景気に与えた悪影響を見極める必要があるため、量的緩和の縮小開始は来年以降に先送りになる可能性が高まったとの見方もある。このためドル・円相場については一方的にドル高・円安方向に傾く可能性は小さいが、量的緩和の継続は株式市場にとってプラス要因となりそうだ。
米国のデフォルトが回避されて警戒感が後退すれば、国内の好材料が注目されやすくなる。10月下旬から始まる3月期決算の主要企業の業績上振れ期待を織り込みにいく動きとともに、15日に臨時国会が召集されるため、12月に策定予定としている5兆円規模の経済対策や、アベノミクス成長戦略など政策関連のテーマ物色が活発化しそうだ。投資減税関連、国家戦略特区関連、カジノ関連、規制緩和関連などに加えて、安倍晋三首相が1日の記者会見で「真剣に検討を進めないといけない」とした法人税実効税率引き下げに関する議論も注目されるだろう。
ただし一方では、14年3月の消費増税実施後の反動を警戒する見方も根強い。前週後半の急速な株価上昇で戻り待ちの売りが出やすい水準だけに、注意も必要だろう。日経平均株価をチャート面で見れば9月27日の1万4817円50銭、さらに7月23日の1万4820円18銭の突破が焦点となるが、この上値の突破にもたつけばレンジ相場が意識されかねない。
その他の注目スケジュール(米国の経済指標に関しては発表延期の可能性がある)としては、14日の中国9月PPI・CPI、14日~15日のユーロ圏・EU財務相会合、15日の独10月ZEW景気期待指数、米10月ニューヨーク州製造業業況指数、16日のユーロ圏8月貿易収支、米10月住宅建設業者指数、米地区連銀経済報告、17日のユーロ圏8月経常収支、米9月住宅着工件数、米10月フィラデルフィア地区連銀業況指数、18日の中国第3四半期GDP、中国9月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、米9月景気先行指数(コンファレンス・ボード)などがあるだろう。
その後は24日の中国10月製造業PMI速報値(HSBC)、ユーロ圏10月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、29日~30日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、31日の日銀金融政策決定会合などが予定されている。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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