三井物産、豪で電力・ガス小売事業 仏GDFスエズと共同で

2013年10月9日 11:48

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 三井物産は8日、仏GDFスエズが保有するオーストラリアの発電及び電力・ガス小売事業に出資参画することで同社と合意し、10月8日に関連諸契約を締結したと発表した。三井物産は新規に設立した投資子会社を通じて、同事業を推進するGDFスエズの子会社International Power (Australia) Holdings Pty Ltd (以下IPAH)が実施する第三者割当増資を引き受け、IPAH株式の28%を取得する。

 今回三井物産が出資参画する事業は、IPAHがオーストラリア東部のビクトリア州及びサウスオーストラリア州において保有・運営する発電事業と電力・ガスの家庭及び事業者向け小売事業から構成される。発電事業はガス火力、石炭火力及び風力に電源が分散された4資産からなり、総発電容量は2,604MW。また、小売事業はIPAH子会社のSimply Energyが電力及びガスを約35万の顧客に供給している。同事業が発電する電力は、Simply Energy及びオーストラリア東部の電力卸売市場を通じて販売している。なお、三井物産にとって今回の事業は、小売りを含めた初めての垂直統合型電力事業となる。

 三井物産とGDFスエズは、2004年より共同事業会社であるIPM-Eagle LLPを通じてオーストラリアで発電事業を推進している。今回の事業への参画により、現在GDFスエズがオーストラリアで運営している全ての電力事業は両社の共同事業となる。一体経営する2つの共同事業(総発電容量3,748MW)は、発電量でビクトリア州において1位、オーストラリア全体でも第4位となる。

 今後両社は、オーストラリアにおいて、IPAHを通じて新規電力事業を共同で開発していく。また、両社は世界12ヵ国において発電事業やLNG輸出プロジェクトを共同推進しており、今回の事業を通じて両社のグローバルパートナーシップを更に強化し、既存の共同事業の拡張や良質化のほか、全世界で新たな共同事業を検討していく。

 三井物産は、今回の事業を通じてオーストラリアにおける電力の安定供給に貢献すると共に、ファイナンス機能や顧客ネットワーク、同国における発電所の設計・調達・建設(EPC)実績などを活かし、IPAHの企業価値向上を図る。また、電力市場の自由化が進むオーストラリアにおいてIPAHが蓄積するノウハウを活用し、日本国内外での電力小売事業やスマートシティ開発、省エネ関連事業への展開を目指す。

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