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ロームのSiCパワーデバイスを使った世界初のオーディオアンプ
CEATECのローム・ブースで「金田式アンプ」の試聴デモを行なった。価格についてはまったくの謎、問い合わせの際に価格が提示されるらしい。生産・販売している業者は、千葉・浦安の「DCAmp.Biz」という会社。[写真拡大]
京都の半導体メーカー、ロームは従来から電源IC設計で業界を牽引してきた。なかでも現在、業界で注目を集めているのが「SiCパワーデバイス」だ。同社は自動車や産業機器に向けたSiC(シリコンカーバイト/炭化ケイ素)製品をラインアップしている。このSiCは、従来の半導体に使っていたシリコンよりも耐熱性や効率、信頼性で優れた特性があるとされる。
今回、10月1日から千葉・幕張メッセ出開催されたイベント「CEATEC」で、このSiCデバイスを使った製品として業界関係者だけではなく、一般消費者から注目を集めていたのが「金田式SiCオーディオアンプ」だ。
オーディオアンプは内蔵する電源部の性能で再生する音が変わってしまうと言われる。電源デバイスが安定した電力を供給することで、パワーのある音楽再生を実現するわけだ。金田式パワーアンプには、その電源部を支えるためにロームのSiC MOSFETを使用した世界初のオーディオアンプなのだ。MOSFETは、他のパワーデバイスと比較するとスイッチング速度が速く、低電圧域で変換効率が高い。その素材はふつうシリコンなのだが、SiCを使った高価なパワーデバイスをオーディオアンプに用いて「圧倒的な音楽再現」を目指したマニアックなオーディオアンプである。
実際にデモで、金田氏の解説を聞きながら音を聴いたが、幕張メッセというオーディオ再生にはまったく向いていない展示会場でも、そのパワー溢れる音楽再現力は実感できた。また、金田氏によると、現在家庭などに引き込まれているAC電源にはさまざまなノイズが混じっている。そこで、電源部のAC/DCコンバータが大きな役目を担っている、ということだった。ここでもロームのデバイスが活躍する。
いま、オーディオマニアという言葉が死語になって久しい。家電量販店に出かけても「ミニコンポ」というコーナーはあっても「オーディオ」というコーナーが存在しない店もある。オーディオ専門店と称するショップには、かつてのような賑わいはない。が、単品機器で簡単に100万円を軽く突破し、単品コンポを組み合わせると優に1000万円を超えるような超高級オーディオは静かに売れている。500万円超のアナログレコード・プレーヤーなどの製品が高級オーディオ専門誌に並ぶ。金田式アンプは、その辺りのユーザーに向けたハイエンドな製品といえる。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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