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日本電産サンキョーが三菱マテリアル子会社を買収、車載分野を強化
日本電産は26日、同社の100%子会社である日本電産サンキョーが、三菱マテリアルから三菱マテリアルシーエムアイの全株式を取得することに合意し、9月26日付で三菱マテリアルと基本合意書を締結したと発表した。
サンキョーは、日本電産グループの一員として、成長戦略に基づきM&Aを積極的に推進しており、主要事業分野毎にM&A戦略を立て、各事業の成長と発展を目指している。その発端として、昨年10月には、従来の製品ポートフォリオの転換を図るため、韓国の家電用ユニットメーカーのSCD Co.,Ltd.に資本参加し、子会社化して家電・住設分野を強化してきた。今回のシーエムアイの買収は、車載分野の強化を図り、更にポートフォリオの転換を加速することを目的とするM&A第2弾となる。
サンキョーのモーター事業は、従来、主に光ディスク用、デジタルカメラ用、ゲーム機用など小型小径モーターに特化してステッピングモーター事業を推進し、同市場での優位性を確立してきた。しかし、サンキョーが強みを有する小型小径のステッピングモーターの主要用途であるパソコン、デジタルカメラ、ゲーム機などの製品市場が成熟しているという市場環境の下、サンキョーはステッピングモーターを使用する新たな市場へ参入し、製品ポートフォリオの転換・拡大を重要課題として、特に燃料噴射バルブ用モーターやヘッドアップディスプレイ用モーターなど燃費向上のための電子制御化や高機能化に伴い用途が拡大し今後拡大成長が大きく見込まれる車載市場への参入を検討してきた。
一方、シーエムアイの事業は、主にモーター事業と電気接点事業で構成されており、シーエムアイ売上に占める各事業の近年のおおよその売上比率はそれぞれ50%ずつとなっている。
シーエムアイのモーター事業は、サンキョーがこれまでに参入していない車載用等の中径ステッピングモーターを主力に、ステッピングモーター市場に参入している。サンキョーとは製品面での競合はほとんどないため、製品ラインナップの拡充を見込むことができる。
また、シーエムアイは、今後の成長市場である車載用ステッピングモーター市場において、既に顧客からもその技術力と信頼性に高い評価を得ているため、参入に時間が掛かると言われている同市場にシーエムアイを通じて早期に参入することが可能となり、確固たる顧客基盤を獲得することができる。さらにサンキョーは、月産3500万台以上という高い生産能力とその内製設備を保有することによりコスト競争力を強化しているため、サンキョーの省力化生産設備力、部品内製力をシーエムアイの中径ステッピングモーターに活用することで更なる競争力の強化が期待できる。
また、シーエムアイのもう一つの事業である電気接点事業に関しては、シーエムアイは車載用リレー市場に強みを発揮している。車載用リレーは、車載用モーターのスイッチのオン/オフ及び回転方向の切り替えのためにモーターの個数に応じて必要とされ、世界の自動車生産台数の増加と車1台に搭載されるモーターの数量増加に伴い市場拡大が期待されている。
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