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日本の「集団的自衛権」、行使容認なるか? アメリカ議員から賛否の声
安倍首相は17日、集団的自衛権の行使について検討する専門家パネルを再招集した。6年前の第一次安倍内閣の時に招集された際と同様の趣旨、14名のメンバーも同一であり、柳井俊二・元駐米大使が座長に任命された(北岡伸一・国際大学長が座長代理)。
【すでに予想された勧告内容】
首相は早くも、「パネルによる議論が、新しい時代に沿って憲法を解釈する方法を考える上で、日本にとっての基礎を形成することを願っております」などと意思表明したようだ。
パネルは、集団的自衛権によってどの国を守ることが許されるのか、自衛隊をどの国に派遣できるのか等について数ヶ月間議論し、年末までに勧告をまとめると見られている。
しかし各紙は、すでに集団的自衛権容認という結論が期待されていると報じている。実際、首相は既に、従来集団的自衛権の行使は憲法違反であると見解してきた内閣法制局に、集団的自衛権容認派とされる小松一郎新局長を任命している。
憲法改正ではなく憲法解釈の変更というアプローチを取る理由として、北岡氏らは、憲法改正では時間が掛かり過ぎるからだと明らかにしている。
【慎重を要する問題】
各紙とも、集団的自衛権の是非について、自らは明確に論じていない。ただし、日経新聞の世論調査で、行使容認に対して賛成32%、反対54%であったことを紹介している。
首相の人気はあくまでアベノミクスに基づくものだと指摘。さらに、連立パートナーの公明党さえも慎重姿勢であると報じている。
また各紙とも、明らかに中国との海上紛争を意識した動きだと分析している。ただ、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、いつも「鋭い反応」をする中国外務省だが、「我々は日本が歴史から学び、平和的発展の道を歩み、この地域の国々の懸念を尊重し、地域の平和と安定に貢献できることを願っています」と言うだけだった、と報じている。
対して米国では、米国の負担軽減になるとして賛成する意見(共和党の上院議員ジョン・マケイン)と、「中国や韓国との、ただでさえとげとげしい関係を悪化させるかもしれない」と慎重な意見(上院外交委員会・民主党の上院議員ロバート・メネンデス)が出ている、と報じられている。
同紙は、首相は独断で憲法解釈の最終決定が可能だが、国会はそれに合わせて自衛隊法などの関連法についてフォローしなければならなくなる、と指摘する。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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