【話題】シリア情勢緊迫化とマーケットへの影響

2013年8月29日 09:47

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■『ドル売り・円買い』、『原油高』で反応も一時的に

  27日から28日にかけて、シリア情勢の緊迫化が世界の金融市場を混乱させた。27日の米国市場では、米・英などによる軍事介入観測が高まり、株式市場は大幅下落、債券市場は上昇(金利は低下)、外国為替市場のドル・円相場はドル売り・円買い方向、そして商品市場では原油先物価格や金先物価格が上昇した。リスク回避の動きを強めた形だ。

  ただし28日の米国市場はやや落ち着きを取り戻した動きとなり、株式市場は小幅反発、債券市場は下落(金利は上昇)、外国為替市場のドル・円相場はドル買い・円売り方向、商品市場では金先物価格が下落している。原油先物価格は続伸しているが、米・英などによる武力行使は地上部隊を投入せず、軍事行動は限定的との見方が広がったようだ。

  こうした状況を見る限りでは、シリア情勢緊迫化による世界の金融市場の混乱は一時的・限定的となりそうだ。もちろん、早ければ29日とされる米・英の軍事行動が実際に始まった場合に、金融市場がどのような反応を示すのか引き続き注意が必要となる。さらに軍事行動が短期間で終了しても、米ロ関係の一段の悪化が懸念され、イランの動向にも注意が必要になりそうだ。

  こうした懸念はさておき、一連の動きを見ながら感じたことは、かつては鉄則のように教えられた「有事のドル買い」という言葉が、最近はほとんど聞かれなくなったことだ。一方では「リスク回避の円買い」という言葉ばかりが聞こえてくる。軍事行動の観測の段階では「リスク回避の円買い」となり、米・英による攻撃が実際に始まると「有事のドル買い」となるのだろうか。それともドルと円の立場が変わったのだろうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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