材料空白で薄商いの中、1万3430円~1万4050円のモミ合いか=犬丸正寛の相場展望

2013年8月16日 16:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■売買単価100円低下、中低材料株に物色のホコ先も

  来週(19~23日)は、盆休み明けながら材料空白で売買代金の少ない中、NYダウを横目でみながら小動きの展開だろう。

  そのアメリカは、10年債金利上昇、NYダウの下押しは心配なところではあるものの、9月の金融緩和縮小開始見通しはかなり織り込んだものとみられ、仮に、NYダウの一段安があったとしても下ヒゲ足となる可能性があるだろう。もちろん、緩和縮小の程度(幅)にもよるが、アメリカ製造業の状態がそれほど良くないことから、「縮小は緩やかなものとなる」可能性もあるからだ。

  ただ、気になるのはNYダウが15日に中期線を割り込んでいることがある。短期間のうちに中期線を奪回すれば今年6月と同じようなパターンとなって上昇相場をキープできる。この意味では来週のNYダウの動きは注目が必要といえる。

  一方、日経平均は売買代金2兆円割れの薄商いが続く中で、去る、12日の安値1万3430円を下値に、1万4050円を上値としたモミ合いに入っているようだ。とくに、NYダウの急落にもかかわらず週末は、よく102円安にとどまったといえる。

  薄商いの背景の一つには、外国人投資家の買い手控えということのほかに、5月に買い付いた向きの投げが一応、一巡していることがある。6月のNYダウ安の時のように狼狽売りはなくなっている。もちろん、1万5000円以上には売り物は控えているだろうが、アベノミクスの実経済への効果を期待して持株持続の腹を固めている向きも多いようだ。

  こうしたことからトヨタ自動車など主力銘柄は為替をみながら高値圏でのモミ合いの展開が予想され、引き続き関西系の中小型材料などが物色の中心になるものとみられる。ただ、1株当売買単価が日々ベースではピークから100円ほど低下するなど株価水準の低い「中低位の材料株」に人気が高まることも予想される。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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