売買代金2兆円前後の中で個別物色の展開、円相場反転なら輸出株の戻りも=犬丸正寛相場展望

2013年8月9日 15:55

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

 来週(12~16日)は、『盆休み』に入ることや企業の第1四半期決算発表が一巡し材料空白となることから売買代金は2兆円前後の低水準となり様子見の相場展開となりそうだ。その中で、大きく下げた銘柄には、『円相場』を睨みながら自律反発のタイミングを探る展開だろう。

 3月期決算会社の第1四半期(4~6月)決算がほぼ終わった。発表の前半ではトヨタ自動車など好調銘柄がみられたものの、後半ではニコンの大幅減額が表面化した。業績と株価の関係では、増額のトヨタ株価は大きく買われることはなく、減額のニコンは急落し年初来安値に沈んだ。こうした展開から言えるのは、「業績好調銘柄は株価に織り込み済み、業績の芳しくない銘柄は売る」ということだった。こうした動きも決算発表一巡で落ち着いてくるだろう。

 そして、次の業績を手がかりに買う相場は10月後半から11月にかけての第2四半期決算の発表だろう。ここで、通期予想がどのていど増額となるかがポイントである。もちろん、3月期以外の銘柄はあるが、3月期企業が圧倒的に多いため全般相場への影響は大きいからである。

 また、9月には『東京オリンピック』、『消費税』の決定も控えている。オリンピック東京開催決定なら、日本強靭化計画と相まって建設など内需型の関連銘柄が注目となるだろう。とくに、オリンピック開催決定なら景気押し上げ効果も見込めることから消費税引上げが決定されるものとみられる。そうなれば、財政悪化にブレーキがかかることから外国人投資家の買い再燃が期待される。

 このように9月は相場の転機となることが予想されるが、足元は夏休み相場の展開だろう。日経平均の足元の位置は年初来高値1万5942円(5月)と安値1万0398円(1月)の「中間値」(1万3170円)に接近となっていることから、ほぼ調整の最終局面来ているものとみられる。

 予想外の円高となったが、フシ目の1ドル・95円に接近したことで円高が反転する可能性もあるだろう。円安に向かうようなら輸出関連銘柄の反発も十分に予想される。

 全体としては商いが少ない中での業績見通しがよく、これまで買われていなかったような銘柄が個別に物色される展開だろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

【関連記事・情報】
【話題】日経平均の7月は大荒れ!8月は静かな展開か?(2013/07/31)
【話題】消費税率引き上げ先送りが金融市場の波乱要因に急浮上(2013/07/31)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事