『金融相場と業績相場のミックス型』展開、日経平均1万5000円挑戦=犬丸正寛の相場展望

2013年8月2日 17:02

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  今週(7月29日~8月2日)の相場は、前半のモミ合いから後半にかけて急上昇の展開となった。即ち、1万3613円で始まった日経平均は、週末8月2日には1万4466円とほぼ高値引けとなって週初に比べ853円(率で6.2%)の上昇となった。週末対週初比較での上げ幅としては恐らく今年最高とみられる。

(1)NYダウの最高値更新 (2)第1四半期決算発表の好調 (3)資金のダブつきーーなどが重なってのものとみられる。

  アメリカは、30~31日の金融政策会議で当面の金融緩和策継続を決めた。これを受けて、1日のNYダウは1万5650ドルと5月22日の1万5542ドルを抜いてほぼ2ヶ月半ぶりに最高値を更新した。アメリカの企業業績にはキャタピラーなど一部に翳りがみられるものの、量的金融緩和がカバーして相場を支えているという受け取り方のようである。   一方、日本では7月末の資金供給量が173兆3100億円と過去最高を記録している。しかも、日本においては好調な第1四半期決算の発表となっていることが大きい。つまり、NYダウは企業業績の不安を金融緩和が支えている姿であるのに対し、日本は業績も金融緩和も両方が日経平均にプラス作用しているということだ。言い換えれば、日本は『金融相場と業績相場のミックス型』ということになるだろう。

  こうした勢いを受け継いで、来週(5日~9日)の日経平均は週前半にも1万5000円へ挑戦となろう。ただ、週後半にかけては主力銘柄の決算発表が一巡することから上げの勢いは徐々に弱まるものとみられる。第1四半期(4~6月)は前年同期に比べて好調なものの、通期を大きく増額したり、あるいは通期見通しがマーケットの事前予想を上回るという状況にはなっていない。たとえば、トヨタ自動車(7203)は2014年3月期を増額し1株利益を467.0円としたものの、四季報予想の473.6円には届かなかった。

  今週も出来高が30億株台に乗せることがなかったように5月ころの相場に比べると物足りない。1万5000円前後までの比較的売り物の少ない中を値を飛ばしている印象が強い。このため、上値が重くなれば一気に利益確定売りが出てくるものとみられる。

  日経平均で1万5000円台乗せ、トヨタで5月高値6760円を抜いたあたりが上値のフシとなりそうだ。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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