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若者のテレビ離れで増える健康番組、医師の9割が「影響を実感」
ここ数年、テレビ業界では健康番組が人気だ。6月末の視聴率(ビデオリサーチ調べ)では、朝日放送系の「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学 3時間スペシャル」やNHK「ためしてガッテン」が「教育・教養・実用」で10位以内にランクイン。他にもテレビ東京系の「主治医が見つかる診療所」など、ここ数年の健康番組の増加は、10年前には考えられなかったほどである。
健康番組が以前より増えた理由は、若者のテレビ離れにある。NHKの「国民生活時間調査」によると、2010年までの15年間でテレビを見なくなったのは10代、30代の男性と20~30代の女性。特に20代女性で減少幅が大きい。
一方、50代以上のテレビ視聴時間は減るどころかむしろ、少しずつ増えている。年齢が高い人ほど長時間見ており、男性70歳以上の1日の視聴時間はどの曜日も5時間を超えている。
こうした層に訴えかけるために作られるのが健康番組というわけだ。人気番組の中には、実際の医師が登場してゲストの病気を診断するなど、より専門的なものも増えている。
このような傾向を反映してか、医師の多くは診療の中で健康番組の影響を実感している。医師5.5万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer」(メドピア)を運営する(株)メドピアが調査をしたところ、健康番組の反響が「少しある(過去に数件、思い当たる)」という回答は51.5%、「ある(日常的に感じる)」は37.6%で、約9割の医師が診察において健康番組の影響を実感しているという結果となった。
「患者は総じて自分に都合のいいように解釈している。人によっては目の前の医師よりもテレビの言ったことの方が正しいと思い込んでいて困る場合もある(50代、眼科)」、「中には極めて稀なケースを取り上げて、あたかも全例に当てはまるかのように報道する番組もあって、患者さんに過度の不安をあおっているような気がする」(40代、精神科)といったコメントが目立つ。禁煙外来などにはプラスの効果もあるようだが、とにかく番組の内容を過信する患者が多いようだ。
若者のテレビ離れにともない、増えてきた健康番組。自分に都合の良い部分だけ信じたい気持ちもわかるが、冷静な判断が求められることは言うまでもない。(編集担当:北条かや)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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