銃乱射事件の遺族、暴力事件を予防するための遺伝子研究を開始

2013年7月19日 08:00

印刷

記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 暴力事件などを起こした犯人のDNA情報などを解析・蓄積し、犯罪を起こす可能性のある人物の指標や遺伝的痕跡を発見することで暴力事件の予防を行うべきという話題が本家/.でとりあげられている(post-gazette.com本家/.)。

 このような主張を行っているのは、アリゾナ大学で遺伝子関連の研究を行っているJeremy Richmanさんとその妻Jennifer Henselさん夫妻。ふたりはコネチカット州のサンディフック小学校銃乱射事件で娘を失った。彼らは銃規制についても支持をしているが、それ以上に暴力事件を予防する方策に力を入れるべきだと主張する。Jeremy Richmanさんは、コレステロール値を下げることで、心臓病が発生するのを防ぐのと同じことだと説明しているという。

 しかし、倫理的な懸念からの反対意見もある。社会学者で生命倫理学者である「Troy Duster」氏は「暴力とバイオマーカーの関連性を研究することは否定しないが、関連性の部分だけがクローズアップされて話が飛躍しないか心配だ」とコメントした。夫妻は「私たちは道徳的な意味での公平性を求めていない。悲劇が繰り返されるのを防ぎたいだけだ」としている。二人はバイオマーカーを特定するための取り組みとして、彼らの娘の名前を付けたAvielle財団を創設している。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンスセクション | バイオテック | 医療

 関連ストーリー:
近い将来、特定の人にだけ感染させるウイルスが作れるようになる 2012年11月01日
顔の特徴を決定する遺伝子変異を特定、DNAからの顔推定は実現できるか? 2012年09月18日
遺伝子スクリーニングで「優れた子供を選ぶ」ことの道徳的意義 2012年08月23日
知能の個人差について解明する遺伝子を発見 2012年04月20日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事