三菱マテリアルの地中熱利用システム技術、日本で初めて鉄道トンネル事業に採用

2013年7月17日 19:36

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地中熱利用システムの概念図と主な地中熱交換方式(画像:三菱マテリアル)

地中熱利用システムの概念図と主な地中熱交換方式(画像:三菱マテリアル)[写真拡大]

 三菱マテリアルは17日、同社の連結子会社である三菱マテリアルテクノが開発したコイル型水平熱交換器による「地中熱利用システム技術」が、日本で初めて鉄道トンネル事業(小田急電鉄複々線化事業)に採用されたと発表した。

 「地中熱利用システム技術」は、土壌の断熱機能により大気中の温度変化の影響を受けにくく一年を通してほぼ一定である地中の温度(地中熱)をヒートポンプの熱源として活用することで、冷暖房や融雪・給湯などに利用するもの。夏期は冷たい地中に熱を放熱(冷房運転)し、冬期は温かい地中から採熱(暖房運転)することでヒートポンプの仕事量を減らし、省エネルギー効果によりランニングコストやCO2排出量の低減に貢献する。

 今回、小田急電鉄複々線化事業(上下線を各2本ずつ計4本の線路にする事業)に、コイル型水平熱交換器による地中熱利用システムが日本で初めて採用された。

 具体的には、東北沢駅と世田谷代田駅を対象に、開削工法で掘り抜いた箱形トンネル下床版にコイル型水平熱交換器を敷設し、ホーム空調の一部に利用している。この地中熱利用システムの導入により、空気熱源ヒートポンプと比べてCO2排出量とランニングコストを年間約30%削減できる予定。

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