【アナリスト水田雅展の相場展望】日経平均株価1万4000円台固めを想定、米国株が上値追いと参院選に期待感が高まれば、1万5000円台も

2013年7月15日 16:40

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■相場展望(7月16日~19日)

 今週(7月16日~19日)の株式市場は、日経平均株価1万4000円台固めの展開を想定する。ただし米国株が上値追いの展開となり、さらに参院選後の安定政権に対する期待感が高まれば、日経平均株価1万5000円台を回復する可能性もあるだろう。

 来週は世界経済に関する注目材料が目白押しとなり、15日の中国第2四半期(4~6月期)GDPおよび6月鉱工業生産・小売売上高・固定資産投資、17日と18日のバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の議会証言、19日~20日のG20財務相・中央銀行総裁会議、そして21日投開票の日本の参院選が焦点となる。

 日本市場が3連休で休場となる15日の中国の主要経済指標に関しては、第2四半期GDPで中国経済の成長減速を確認する形になりそうだ。中国株式市場があらためて警戒感を強めるのか、それとも織り込み済みとの反応になるのかが注目される。市場予想を大きく下回れば波乱要因となる可能性もあるだろう。

 17日と18日のバーナンキ米FRB議長の議会証言に関しては、6月19日のFOMC(連邦公開市場委員会)終了後の記者会見で「年内に量的緩和縮小に着手」と明言したのに対して、7月10日の講演では「当面は緩和的な金融政策の継続が必要」との考えを示し、市場が振り回される形となった。市場では9月のFOMCから量的緩和縮小の開始に踏み切るとの見方が依然として有力だが、同議長が今回はどのように発言するのかが注目点となる。

 19日~20日のG20財務相・中央銀行総裁会議では、新興国からのマネー流出も議論される見込みだ。新興国からの急激なマネー流出や金融不安が世界経済の波乱要因となりかねないだけに、新興国に対する警戒感の後退につながるかどうかが注目されるだろう。

 21日投開票の参院選に関しては、自民党・公明党の与党が過半数を獲得する可能性が高く、参院選後に「衆参ねじれ」が解消した安定政権でアベノミクス成長戦略が迅速に実行されるとの期待感を強めている。こうした期待感を投開票前に一段と強めるのか、投開票後に買い安心感を強めるのか、あるいはすでに織り込み済みなのか、市場がどの程度織り込んでいるかが注目点だろう。

 6月末から7月上旬にかけて急ピッチで上昇した過熱感は十分に解消されたとは言えないだけに、当面は日経平均株価1万4000円台を固めながら過熱感の解消を待つ展開だが、アベノミクス相場の上昇第2波のスタートという基本的な流れに変化はないだろう。15日の中国第2四半期GDPや、17日と18日のバーナンキ米FRB議長の議会証言で波乱がなく、米国市場が金融相場から業績相場へシフトしながら円安・米国株高の流れになれば、日経平均株価1万5000円台に向けた動きを強めるだろう。

 その他の注目スケジュールとしては、15日の米6月小売売上高、米7月ニューヨーク州製造業業況指数、16日のユーロ圏5月貿易収支、独7月ZEW景気期待指数、米6月消費者物価指数、米6月鉱工業生産、米7月住宅建設業者指数、17日の米6月住宅着工件数、米地区連銀経済報告、18日のユーロ圏5月経常収支、米6月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米7月フィラデルフィア地区連銀業況指数などがあるだろう。

 その後は7月30日~31日の米FOMC、7月31日~8月1日の英中銀金融政策委員会、8月1日のECB理事会とドラギ総裁の記者会見、8月2日の米7月雇用統計、8月7日~8日の日銀金融政策決定会合などが予定されている(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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