独ボッシュ・GSユアサ・三菱商事が次世代リチウムイオン電池で協業、合弁設立へ

2013年6月20日 11:52

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 自動車部品大手の独ボッシュ、GSユアサおよび三菱商事は20日、次世代高性能リチウムイオン電池の開発に共同で取り組むことで合意したと発表した。

 リチウムイオン電池はプラグイン・ハイブリッド車や電気自動車の基幹コンポーネントとなるもの。3社は、高度な電池制御技術と先進的な電気化学・素材技術を駆使し、電池のエネルギー蓄積容量を大幅に引き上げることを目指す。これにより電池の重量と占有スペースを減らし、電気自動車の走行距離を延ばすことが可能となる。

 3社は合弁会社を設立する計画。この合弁会社は共同研究開発を行い、また、販売およびマーケティング面で親会社をサポートする。2014年初頭から活動を開始する予定で、本社はドイツのシュトゥットガルトに設立される。ボッシュは合弁会社の資本の50%を、GSユアサと三菱商事が各25%を出資する。取締役会と監査役会には各社が出資比率に応じて役員を派遣する。なお、合弁会社の設立は独占禁止法に関する関係官庁の認可取得が前提となる。

 ボッシュは同合弁事業において、複雑高度な製品の大量生産に必要な生産プロセスと品質管理面のノウハウで貢献する。電池パックと電池制御システム分野で高度の専門知識を擁するボッシュは、セルとシステム全体のモニターならびに制御、および車体本体への組み込みを引き受ける。さらにボッシュは、電動化車両向けコンポーネント全般も活用しながら同合弁事業をサポートする。

 GSユアサは長年培ってきた大型リチウムイオン電池セルの製造実績、ならびに原材料・電気化学の研究開発分野において、新会社における次世代リチウムイオン電池の開発に貢献する。また、GSユアサは優秀なエンジニアと車載用・非車載用のエネルギー密度の高い電池セルを製造する最新の生産ラインを有している。これらの知見や経営資源を活用し、次世代リチウムイオン電池の生産・供給においても新会社に貢献する。

 三菱商事は総合商社として培った世界的なマーケティングネットワークを活かしながら新会社に貢献する。リチウム資源や材料をカバーするグローバルなバリューチェーンを活用していく。

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