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声で操作する未来の車
Appleが毎年恒例で行なっている、同社のアプリケーション開発者向けカンファレンス「World Wide Develpers Conference(WWDC)2013」が、米国時間の2013年6月10日に開催された[写真拡大]
Appleが毎年恒例で行なっている、同社のアプリケーション開発者向けカンファレンス「World Wide Develpers Conference(WWDC)2013」が、米国時間の2013年6月10日に開催された。
今回のカンファレンスの目玉となったのは、「iPhone」やタブレット端末「iPad」などのOS「iOS」の最新バージョン「iOS7」。2011年にiPhone4Sに搭載されて依頼、同社製品の看板機能の一つとなった音声エージェント「Siri」についても機能が強化されており、とくに自動車関連で用いられる「iOS in the Car」と呼ぶ音声コントロールに注目が集まった。
iOS in the Carは、iPhoneやiPadなどのiOSデバイスと連携することで、音楽など車内のエンターテインメントを音声でのみ操作することのできる、インダッシュタイプのディスプレイモジュールだ。
iOS6からすでに採用されている「Eyes Free」機能をつかって、ドライバーが自動車運転中でも、ハンズフリー通話のほか、伝言メモの再生や音楽コンテンツの再生、インスタントメッセージサービス「iMessage」の送受信、ナビゲーションなど、ハンズフリーで様々な機能を操作することができる。
iOS in the Car がiOS6と大きく異なる点は、iOS6のEyes Free機能ではドライバーしか操作できなかったiOSデバイスを同乗者も操作可能にしたということ。また、画面サイズが大きいインダッシュタイプのディスプレイモジュールなので、ナビゲーション機能が格段に操作性が向上している。
Appleの上級副社長のエディ・キュー氏は、2014年までにSiriと車載機器とを統合した車種を販売することを明言しており、すでに日本メーカーでは日産自動車<7201>、ホンダ<7267>、海外メーカーでは、Daimler、General Motors、Volvo、Hyundai Motor、Jaguarなどが、iOS in the Carに対応する車両の開発を進めている。
一方、東芝情報システム株式会社は5月に東京ビッグサイトで開催された「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」の席上で、スマートフォンと車載ディスプレイを双方向でつなぐ通信規格MirrorLinkについて、Wi-Fiを用いた無線接続で利用できるようにするための取り組みを進めていることを明らかにした。
同社は昨年9月に、図研エルミック株式会社<4770>と、車載ディスプレイ側に組み込むMirrorLink対応ミドルウェア「Ze-PRO Mirror(Client)」の販売とサポートで提携しており、引き続き協力体制を保ちながら、同製品の機能拡張を進めており、10月にも製品化する見通しだ。
MirrorLinkを用いた車載情報機器とスマートフォンの連携サービスは、昨年、パナソニック<6752>のオートモーティブ分野を担うAIS社が、トヨタ自動車<7203>に納入しているディスプレイオーディオ「スマホナビ対応ディスプレイ」と、パナソニック製Androidスマートフォン「ELUGA V」をMirrorLink対応の端末としてサービスを提供している
スマートフォンと車。安全面などを考えると相容れないイメージもあるが、2つの技術が上手くリンクすることで新たな未来も見えてくる。ここに開発中と噂される自動運転走行などの次世代技術も加われば、十年後の車社会は、今とは全く違う景色を見せてくれるのかもしれない。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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