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一家に一台、ロボットのいる暮らし
人が描く未来像のひとつに「ロボットとの共存」がある。
ロボットとともに暮らす社会は、洋の東西を問わず、映画や漫画の世界などでも数多く描かれており、人々の憧れの生活でもあった。
近年、大ヒット商品となったルンバに代表されるお掃除ロボットをはじめ、サンヨーホームズ株式会社<1420>が2011年から導入している、エネルギー管理や家族の暮らしを音声制御でサポートするロボット「MIRAI SANZO(ミライ サンゾー)」など、生活を便利で快適にしてくれるロボット技術が、一般家庭にも次々と取り入れられている。
また、フランスのAldebaran Roboticsの家庭用ヒューマノイドNAOシリーズや、本田技研工業<7267>が開発した、日本ではすっかりお馴染みのASIMOなど、人型ロボットの開発も盛んで、夢とともに各社の最新の技術が詰め込まれており、今後のロボテック技術を推し図る上でも大変興味深い。
NAOの次世代機として発表された「NAO Next Gen」は、体長わずか57センチの小さなボディながら、1.6GHzのインテルプロセッサを搭載したハイスペックな人型ロボット。「歩く」「学習する」という基本行動はもちろん、高品質の映像及び音声入力機能を搭載していることで世界的にも注目されている。
まず映像面では、2つのHDビデオストリームを用いて識別タスクを高速に処理し、物理的な動作の制御や認識のみならず、人の顔や、物の形状を判別することもできるという。
音声入力面では、人の声を個別に判別することが可能なうえ、4つの入力センサーで音源の時差を判断し、対象の位置を確定することもできる。さらには、なんと8ヶ国語の言語でのコミュニケーションが可能となっている。
一方、ホンダはASIMO開発の応用として、脚力が低下した人の歩行をサポートする「リズム歩行アシスト」、体重の一部を機器が支えることで脚にかかる負担を低減する「体重支持型歩行アシスト」、前後左右や斜めへの自由自在な動きをコンパクトな一輪車スタイルで実現した「U3-X」や「UNI-CUB」などを開発しているが、それらの技術を一般家庭の暮らしの中に取り入れる試みを始めている。
そのパートナーとしてホンダが選んだのは、40年近くに渡って人間工学や生活工学に基づいたユニバーサルデザイン研究を行ってきた住宅メーカーの積水ハウス<1928>だ。両社は、今年4月にスマートハウス分野で、それぞれの技術やノウハウ、実績などを提供しあって、協力関係を構築することを発表している。
両社が協力することにより、最近何かと話題に上ることの多いスマートホームもさらに発展することだろう。
このように、日本の誇る技術力の高い企業同士の協力体制が活発になってくれば、一家に一台、ロボットが家の中で家族のように一緒に暮らし、我々の生活をサポートしてくれるSFや漫画のような光景が現実のものとなるのも、そう遠い日のことではないかもしれない。(編集担当:藤原伊織)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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