OKI、ブラジルATM市場に参入

2013年5月15日 19:02

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 沖電気工業(OKI)は15日、銀行・化学・電機・木工品事業を展開するブラジル第2位のコングロマリットITAUグループと、中南米におけるATM(現金自動預け払い機)事業で戦略提携したと発表した。

 両社は共同でATM事業会社を立ち上げ、OKIの持つ世界トップクラスの紙幣還流型ATMの開発技術と生産技術、ITAUグループの持つ強い顧客基盤とブラジル全土3,700都市以上をカバーする保守網を活かし、ブラジルATM・CD市場でのシェアトップを目指す。

 ITAUグループのコンピュータ事業、ATM・CDなどの自動化機器事業と保守サービス事業の会社であるItautecが自動化機器事業と保守サービス事業を分社し、OKIが新会社の株式の70%相当を取得する旨の株式譲渡契約を15日に締結した。なお、株式の取得は2013年12月末を目処に行われる予定。

 ITAUグループは、ブラジルATM・CD市場において、同グループで中南米最大の民間銀行イタウ・ウニバンコを中心にシェア約30%をもつ第2位のATMベンダー。ItautecはさらなるATM・CD事業拡大のため、ITAUグループ以外の金融機関への拡販を目指し、差別化技術を持つ提携先を探していた。

 一方OKIは、紙幣還流型ATMの海外展開を成長分野の1つとして位置付けており、トップシェアを持つ日本、中国をはじめ、ロシア、インドネシアなどで実績を重ね、今後も経済成長の続く新興国を中心に拡販を進めている。さらなる海外展開拡大のため、ATM市場拡大が期待される中南米地域の事業基盤の確立が必要だった。

 両社は、得意とする技術と地域に重なりが少なく、両社の強みを活かして事業の強化・拡大が見込めると判断し、今回の合意に至った。今後両社はブラジルでの事業基盤を固めたうえで、ATM中南米市場への事業展開を目指す。

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